コロナ 肺炎。 コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点

風邪と肺炎(新型コロナウイルス感染)の見分け方・症状|リーレクリニック大手町

コロナ 肺炎

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)の流行が止まらない。 この感染症は多くの場合、肺炎などの呼吸器疾患の症状が臨床の現場で現れる。 実は、肺炎の原因診断はとても難しく、新型コロナ感染症の判別を難しくしている理由にもなっている。 高齢者で多い肺炎による死亡 当初、新型コロナ感染症は「新型コロナウイルス肺炎」と呼ばれていた。 つまり、新型コロナ感染症と、肺炎を引き起こす他の疾患を区別するため、間質性肺炎に関する臨床的な判別が重要になることは間違いない。 だが、そもそも肺炎による死亡は高齢者の死亡原因の第3位といわれているほど多いが、その中から新型コロナ感染症による肺炎をしっかり区別できるのだろうか。 そこで臨床現場での診療や治療にも携わったことのある感染症研究の専門家の医師、松田和洋氏に肺炎の判別について話を聞いた。 松田氏は間質性肺炎などを引き起こすマイコプラズマ感染症を長く研究し、新型コロナ感染症対策のためにも、肺炎症状を細菌やウイルスを含めた原因によって判別することが重要と訴えている。 松田「肺炎というのは、肺に炎症が起きる病気で、細菌やウイルスによる感染症になります。 臨床学的に肺炎には大きく分け、院内肺炎と市中肺炎があります。 院内肺炎というのは文字通り、入院中の患者さんがかかる肺炎です。 一方、市中肺炎は、90日以内に入院したことがなかったり介護施設に入所していないなどの人で、それまで一般的な社会生活を送っていた人に発熱、長引く咳、倦怠感などの症状が起きた場合の肺炎です。 また最近、高齢化を受けて退院・退所後の患者さんがかかる医療・介護関連肺炎という分類ができています。 松田「新型コロナ感染症による肺炎の多くは市中肺炎に分類されます。 また、医療従事者を守らないと医療崩壊することから、医療従事者の院内感染の防護が重要になってきています」 肺炎の分け方の図。 発熱、長引く咳、倦怠感などを訴える患者さんで肺炎を疑う場合、大きく院内肺炎(医療・介護関連肺炎)と市中肺炎に分けられる。 市中肺炎はさらに細菌性(定型)肺炎と非定型肺炎に分けられる。 新型コロナ感染症は主に市中肺炎の中の非定型肺炎だ。 松田「発熱、長引く咳、倦怠感といった症状の患者さんが来院した場合、臨床の先生はまず一般的な風邪を疑います。 そもそも風邪の診断が難しいのですが、風邪から肺炎を引き起こし、重篤化することはよくあるので、肺炎にかかっているかどうかは患者さんにとって重要です。 松田「風邪や気管支炎の場合、胸部X線写真やCT像の画像診断で肺に異常はみられませんが、肺炎は上気道(鼻から咽頭まで)、肺を含む下気道(気管、気管支)まで炎症が広がっています。 X線写真やCT像で、肺にベッタリとした白い影があれば細菌性(定型)肺炎、肺に摺りガラス状の白い影(Ground-glass Opacity)があれば間質性肺炎としての非定型肺炎に分けます。 新型コロナ感染症の肺炎は間質性肺炎で、間質性肺炎を引き起こす原因微生物には他にインフルエンザウイルス、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、レジオネエラ・ニューモフィラなどがあります」 2020年1月18日から2月2日までの間に新型コロナ感染症で入院した中国人患者さんの肺のCT像。 Aは36歳の男性、Bは44歳の男性、Cは65歳の女性でいずれも肺の両側に磨りガラス状の白い影(矢印)がみえる。 Via:Adam Bernheim, et al. , "Chest CT Findings in Coronavirus Disease-19 COVID-19 : Relationship to Duration of Infection. 松田「その通りです。 新型コロナ感染症のCT像には、他にいわゆる砕かれたタイル(Crazy-Paving)やメロンの皮様が特徴的にみられることもあります。 間質性肺炎は、肺胞という肺にある細胞の壁に炎症が起きたり、慢性的な炎症によって肺胞の組織が硬くなる線維化が起きる病気です。 その他の原因というのは、薬剤や粉じんなどによるもの、膠原病などの病気によるもの、また原因不明の間質性肺炎です。 原因の中でウイルスによる間質性肺炎の割合はごくわずかですが、新型コロナウイルスが死亡にまで至る重篤な肺炎を引き起こすのが脅威になっているといえるでしょう」 肺炎を引き起こす原因菌の割合。 原因不明の割合が最も多く、ウイルスによる肺炎はわずか1. 7%でしかない。 わかっているものでは肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、肺炎(ニューモニエ)マイコプラズマ、肺炎(ニューモニエ)クラミジアの順になっている。 松田「新型コロナ感染症の診断について、現状では確度の低いPCR検査に頼っています。 こうした検査の前の臨床診断の現場では、先生方にもいろんな意見があり混乱状態になっているようです。 私はその大きな原因が、新型コロナウイルスと肺炎マイコプラズマの区別ができていないことにあると考えています。 マイコプラズマは、他の細菌とは違って細胞壁を持たず、ウイルスとは違って自己増殖するという最小の細菌、つまりウイルスとは区別のつかない臨床症状を引き起こす微生物です。 細菌ともウイルスともいえない特徴から、長くマイコプラズマによる肺炎が見過ごされてきました。 しかし、最近になって、マイコプラズマが免疫の仕組みから逃れ、毒性は弱いけれど慢性的に炎症や組織破壊を繰り返していくことがわかり、原因不明の肺炎にマイコプラズマによるものが多く含まれているのではないかと考えられ始めています。 つまり、市中肺炎における肺炎診断の中で、肺炎マイコプラズマの割合が増えるのなら、肺炎症状からまずはしっかりと肺炎マイコプラズマを区別することが必要なのです」 新型コロナ感染症と他の原因をしっかりと区別しなければならないが、臨床の現場では間質性肺炎の原因を区別できていないのではないか。 ちなみに肺炎マイコプラズマによる肺炎は、診断薬の問題から成人については確定診断されにくい。 基幹定点医療機関(全国約500カ所の病床数300以上の医療機関)の届出が必要な5類感染症になっているが、この届出が必要な基幹定点医療機関は対象として小児科に偏ったものになっているのではないかと松田氏は推測している。 松田「肺炎マイコプラズマに限らず、新型コロナ感染症による肺炎と他の肺炎を明確に区別することが重要です。 また、新型コロナ感染症と肺炎マイコプラズマの同時感染の例も報告されていて、当初いわれていたのとは異なり、小児や若年者への感染でも重篤化することがわかってきています。 肺炎マイコプラズマの判別には、診断薬の問題があります。 そのため、新型コロナウイルスと同じか、それ以上に医療の感染防御の体制を簡単に乗り越え、院内感染を引き起こしたり、医療従事者に感染するようなことが起きているのです」 肺炎といっても様々なものがある。 新型コロナ感染症による肺炎は、まだ全体の肺炎の中ではごくわずかだが、今後どうなるかわからない。 まずは新型コロナ感染症による肺炎と他の肺炎を区別することが重要だが、現状では肺炎マイコプラズマの診断薬も確立されていない状況であり、新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐための方法としても、肺炎の区別は早急に確立しなければならない技術といえるだろう。 , "Clinical course and risk factors for mortality of adult inpatients with COVID-19 in Wuhan, China: a retrospective cohort study. " THE LANCET, Vol. , "Neurologic Manifestations of Hospitalized Patients With Coronavirus Disease 2019 in Wuhan, China. " JAMA Neurology, doi:10. 2020. , "Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China. " THE LANCET, doi. , "Clinical course and outcomes of critically ill patients with SARS-CoV-2 pneumonia in Wuhan, China: a single-centered, retrospective, observational study. " THE LANCET Respiratory Medicine, doi. , "Chest CT Findings in Coronavirus Disease-19 COVID-19 : Relationship to Duration of Infection. " Radiology, doi. 代表的な原因病原菌の種類は、肺炎球菌、肺炎桿菌、インフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、モラクセラといった細菌。 非定型肺炎は、細胞壁のないなど、一般的な細菌とは構造の異なる特殊な細菌、ウイルス、真菌などが原因となる肺炎。 代表的な原因病原菌の種類は、マイコプラズマ、クラミジア(クラミドフィラ)、レジオネラ菌といった特殊な細菌のほか、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルス、ニューモシスチス、クリプトコッカス、アスペルギルス、SARSウイルス、MERSウイルス、そして新型コロナウイルスなど。 , "A comparative study on the clinical features of COVID-19 pneumonia to other pneumonias. " Clinical Infectious Disease, doi.

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新型コロナ肺炎に呼吸困難を感じない「隠れ低酸素症」の可能性 進行に気づかず悪化…酸素測るパルスオキシメーターの使用を : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

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具体的な体温は示さず、息苦しさや高熱などの症状があればすぐに相談するよう呼びかけています。 厚生労働省はことし2月、感染が疑われる人が相談や受診をする目安として「37度5分以上の発熱が4日以上続く場合」などと具体的な体温を示していましたが、専門家からは必要な条件のようにとらえられ、受診の抑制につながりかねないなどといった声が上がっていました。 このため、厚生労働省はこうした表現を見直した新たな目安を5月8日に公表しました。 新たな目安では「37度5分以上」という表記を取りやめ、次のような症状がある場合は、すぐに相談するよう呼びかけています。 【次のような症状は「すぐに相談」を】• 息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある場合• 高齢者など重症化しやすい人で発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状がある場合• 重症化しやすい人でなくても、発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状が続く場合 厚生労働省は「『高熱』かどうかは自分の平熱を踏まえた上で判断してほしい。 症状には個人差があり、強い症状だと思う場合はすぐに相談してほしい」としています。 一方、症状の1つとして報告が相次いでいる「味覚や嗅覚の異常」については専門家の間で意見が分かれたため記載は見送られましたが、厚生労働省は異常を感じた場合には相談するよう呼びかけています。 【症状が4日以上続く場合は「必ず相談」を】• 発熱やせきなど比較的軽いかぜの症状が4日以上続く場合 厚生労働省は、感染の疑いがある場合には、まずは全国の保健所の「帰国者・接触者相談センター」などに相談してほしいとしています。 初期の症状としては、いわゆる「かぜ」と同じようなものが多く、WHO=世界保健機関は、最も多い症状として発熱や乾いたせき、体のだるさを挙げ、患者によっては鼻づまりやのどの痛み、それに下痢なども起きるとしています。 また、アメリカのCDC=疾病対策センターは、症状について、これまで発熱とせき、息苦しさを挙げていましたが、4月に入って症状についての情報を更新しました。 せきと息苦しさについては変わりませんが、次の症状のうち、2つ以上の症状があると感染している可能性があるとしています。 筋肉痛• のどの痛み• 味覚または嗅覚の異常 子どもでも出る症状は大人と同様だとしています。 ほかにも重い症状など気になることがあれば医療従事者に相談し、息ができなくなったり、胸の痛みが続いたり、顔や唇が青ざめたりした場合などは、深刻なサインだとしてすぐに医療機関を受診するよう呼びかけています。 緊急性の高い13の症状 厚労省がリスト公表 2020年4月29日 新型コロナウイルスに感染して宿泊施設や自宅で療養する軽症の患者について、厚生労働省は4月29日、「唇が紫色になっている」「座らないと息ができない」など、重症化の前兆となる緊急性の高い症状を自分でチェックできるリストを公表しました。 緊急性高い13の症状 【表情・外見】• 顔色が明らかに悪い• 唇が紫色になっている• いつもと違う、様子がおかしい 【息苦しさなど】• 息が荒くなった(呼吸数が多くなった)• 急に息苦しくなった• 生活をしていて少し動くと息苦しい• 胸の痛みがある• 横になれない。 座らないと息ができない• 肩で息をしている• 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた 【意識障害など】• ぼんやりしている(反応が弱い)• もうろうとしている(返事がない)• 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする 厚生労働省は当初、軽症の患者や症状のない人について、宿泊施設や自宅で療養してもらう方針を示していましたが、埼玉県で自宅待機中だった男性が死亡したことなどを受けて、宿泊施設での療養を基本とする方針に変更しました。 ただ、家庭の事情などで自宅で療養する患者もいて、容体が急変する可能性もあることから、緊急性の高い症状を自分でチェックできるリストを公表しました。 厚生労働省はこれらの項目を患者や家族が原則1日2回確認し、該当する項目が1つでもあれば自宅療養の人は自治体の連絡窓口、宿泊施設であれば配置されている看護師などにすぐに連絡してほしいとしています。 下記は2月17日時点の情報です。 (2020年5月8日追記) 2020年2月17日 どのような症状の時に相談や受診をすべきか。 厚生労働省はその目安を取りまとめ 2月17日に公表しました。 厚生労働省が示した目安は次の通りです。 相談・受診の前に心がけること• 発熱などのかぜ症状が見られるときは学校や会社を休み外出を控える• 毎日、体温を測定して記録する 相談する目安は• かぜの症状や37度5分以上の発熱が4日以上続いている人• 解熱剤を飲み続けなければならない人• 強いだるさや息苦しさがある人 このような症状がある人は、全国の都道府県にある「帰国者・接触者相談センター」に相談するよう呼びかけています。 高齢者• 糖尿病、心不全、呼吸器疾患の基礎疾患がある人• 透析を受けている人• 免疫抑制剤や抗がん剤を使用している人• 医療機関を受診する際の注意点は• 「帰国者・接触者相談センター」に相談したあと、「帰国者・接触者相談センター」から受診を勧められた医療機関を受診する• 複数の医療機関を受診するのは控える• 医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか手洗いやせきエチケットを徹底する 厚生労働省は、「現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザなどの心配があるときには通常と同様にかかりつけ医などに相談してほしい」としています。 新型コロナウイルス 特徴や気をつけることは 厚生労働省は、新型コロナウイルスの特徴や、感染を防ぐためのいくつかの対策をホームページ上で示しています。 新型コロナウイルスの特徴• ウイルス性の風邪の一種• 発熱やのどの痛み、せきが1週間前後続くことが多い• 強いだるさを訴える人が多い• くしゃみやせきなどによる飛まつ感染と接触感染によってうつると言われている• 高齢者や基礎疾患のある人は特に重症化しやすく、死亡例も確認されているので注意が必要 日常生活で気をつけること• 石けんやアルコール消毒液などを使った手洗い• せきやくしゃみをする際のエチケットを守ること• 持病がある人や高齢者はできるかぎり人混みを避けること• 発熱などかぜの症状が見られる時は学校や会社を休むこと 厚生労働省 相談窓口 自分の症状への不安など、一般的な問い合わせがある場合は、厚生労働省の相談窓口に、電話するよう呼びかけています。 電話番号はフリーダイヤルで FAXは 03-3595-2756 相談は午前9時から午後9時まで毎日受け付けています。

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コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点

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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)の流行が止まらない。 この感染症は多くの場合、肺炎などの呼吸器疾患の症状が臨床の現場で現れる。 実は、肺炎の原因診断はとても難しく、新型コロナ感染症の判別を難しくしている理由にもなっている。 高齢者で多い肺炎による死亡 当初、新型コロナ感染症は「新型コロナウイルス肺炎」と呼ばれていた。 つまり、新型コロナ感染症と、肺炎を引き起こす他の疾患を区別するため、間質性肺炎に関する臨床的な判別が重要になることは間違いない。 だが、そもそも肺炎による死亡は高齢者の死亡原因の第3位といわれているほど多いが、その中から新型コロナ感染症による肺炎をしっかり区別できるのだろうか。 そこで臨床現場での診療や治療にも携わったことのある感染症研究の専門家の医師、松田和洋氏に肺炎の判別について話を聞いた。 松田氏は間質性肺炎などを引き起こすマイコプラズマ感染症を長く研究し、新型コロナ感染症対策のためにも、肺炎症状を細菌やウイルスを含めた原因によって判別することが重要と訴えている。 松田「肺炎というのは、肺に炎症が起きる病気で、細菌やウイルスによる感染症になります。 臨床学的に肺炎には大きく分け、院内肺炎と市中肺炎があります。 院内肺炎というのは文字通り、入院中の患者さんがかかる肺炎です。 一方、市中肺炎は、90日以内に入院したことがなかったり介護施設に入所していないなどの人で、それまで一般的な社会生活を送っていた人に発熱、長引く咳、倦怠感などの症状が起きた場合の肺炎です。 また最近、高齢化を受けて退院・退所後の患者さんがかかる医療・介護関連肺炎という分類ができています。 松田「新型コロナ感染症による肺炎の多くは市中肺炎に分類されます。 また、医療従事者を守らないと医療崩壊することから、医療従事者の院内感染の防護が重要になってきています」 肺炎の分け方の図。 発熱、長引く咳、倦怠感などを訴える患者さんで肺炎を疑う場合、大きく院内肺炎(医療・介護関連肺炎)と市中肺炎に分けられる。 市中肺炎はさらに細菌性(定型)肺炎と非定型肺炎に分けられる。 新型コロナ感染症は主に市中肺炎の中の非定型肺炎だ。 松田「発熱、長引く咳、倦怠感といった症状の患者さんが来院した場合、臨床の先生はまず一般的な風邪を疑います。 そもそも風邪の診断が難しいのですが、風邪から肺炎を引き起こし、重篤化することはよくあるので、肺炎にかかっているかどうかは患者さんにとって重要です。 松田「風邪や気管支炎の場合、胸部X線写真やCT像の画像診断で肺に異常はみられませんが、肺炎は上気道(鼻から咽頭まで)、肺を含む下気道(気管、気管支)まで炎症が広がっています。 X線写真やCT像で、肺にベッタリとした白い影があれば細菌性(定型)肺炎、肺に摺りガラス状の白い影(Ground-glass Opacity)があれば間質性肺炎としての非定型肺炎に分けます。 新型コロナ感染症の肺炎は間質性肺炎で、間質性肺炎を引き起こす原因微生物には他にインフルエンザウイルス、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、レジオネエラ・ニューモフィラなどがあります」 2020年1月18日から2月2日までの間に新型コロナ感染症で入院した中国人患者さんの肺のCT像。 Aは36歳の男性、Bは44歳の男性、Cは65歳の女性でいずれも肺の両側に磨りガラス状の白い影(矢印)がみえる。 Via:Adam Bernheim, et al. , "Chest CT Findings in Coronavirus Disease-19 COVID-19 : Relationship to Duration of Infection. 松田「その通りです。 新型コロナ感染症のCT像には、他にいわゆる砕かれたタイル(Crazy-Paving)やメロンの皮様が特徴的にみられることもあります。 間質性肺炎は、肺胞という肺にある細胞の壁に炎症が起きたり、慢性的な炎症によって肺胞の組織が硬くなる線維化が起きる病気です。 その他の原因というのは、薬剤や粉じんなどによるもの、膠原病などの病気によるもの、また原因不明の間質性肺炎です。 原因の中でウイルスによる間質性肺炎の割合はごくわずかですが、新型コロナウイルスが死亡にまで至る重篤な肺炎を引き起こすのが脅威になっているといえるでしょう」 肺炎を引き起こす原因菌の割合。 原因不明の割合が最も多く、ウイルスによる肺炎はわずか1. 7%でしかない。 わかっているものでは肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、肺炎(ニューモニエ)マイコプラズマ、肺炎(ニューモニエ)クラミジアの順になっている。 松田「新型コロナ感染症の診断について、現状では確度の低いPCR検査に頼っています。 こうした検査の前の臨床診断の現場では、先生方にもいろんな意見があり混乱状態になっているようです。 私はその大きな原因が、新型コロナウイルスと肺炎マイコプラズマの区別ができていないことにあると考えています。 マイコプラズマは、他の細菌とは違って細胞壁を持たず、ウイルスとは違って自己増殖するという最小の細菌、つまりウイルスとは区別のつかない臨床症状を引き起こす微生物です。 細菌ともウイルスともいえない特徴から、長くマイコプラズマによる肺炎が見過ごされてきました。 しかし、最近になって、マイコプラズマが免疫の仕組みから逃れ、毒性は弱いけれど慢性的に炎症や組織破壊を繰り返していくことがわかり、原因不明の肺炎にマイコプラズマによるものが多く含まれているのではないかと考えられ始めています。 つまり、市中肺炎における肺炎診断の中で、肺炎マイコプラズマの割合が増えるのなら、肺炎症状からまずはしっかりと肺炎マイコプラズマを区別することが必要なのです」 新型コロナ感染症と他の原因をしっかりと区別しなければならないが、臨床の現場では間質性肺炎の原因を区別できていないのではないか。 ちなみに肺炎マイコプラズマによる肺炎は、診断薬の問題から成人については確定診断されにくい。 基幹定点医療機関(全国約500カ所の病床数300以上の医療機関)の届出が必要な5類感染症になっているが、この届出が必要な基幹定点医療機関は対象として小児科に偏ったものになっているのではないかと松田氏は推測している。 松田「肺炎マイコプラズマに限らず、新型コロナ感染症による肺炎と他の肺炎を明確に区別することが重要です。 また、新型コロナ感染症と肺炎マイコプラズマの同時感染の例も報告されていて、当初いわれていたのとは異なり、小児や若年者への感染でも重篤化することがわかってきています。 肺炎マイコプラズマの判別には、診断薬の問題があります。 そのため、新型コロナウイルスと同じか、それ以上に医療の感染防御の体制を簡単に乗り越え、院内感染を引き起こしたり、医療従事者に感染するようなことが起きているのです」 肺炎といっても様々なものがある。 新型コロナ感染症による肺炎は、まだ全体の肺炎の中ではごくわずかだが、今後どうなるかわからない。 まずは新型コロナ感染症による肺炎と他の肺炎を区別することが重要だが、現状では肺炎マイコプラズマの診断薬も確立されていない状況であり、新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐための方法としても、肺炎の区別は早急に確立しなければならない技術といえるだろう。 , "Clinical course and risk factors for mortality of adult inpatients with COVID-19 in Wuhan, China: a retrospective cohort study. " THE LANCET, Vol. , "Neurologic Manifestations of Hospitalized Patients With Coronavirus Disease 2019 in Wuhan, China. " JAMA Neurology, doi:10. 2020. , "Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China. " THE LANCET, doi. , "Clinical course and outcomes of critically ill patients with SARS-CoV-2 pneumonia in Wuhan, China: a single-centered, retrospective, observational study. " THE LANCET Respiratory Medicine, doi. , "Chest CT Findings in Coronavirus Disease-19 COVID-19 : Relationship to Duration of Infection. " Radiology, doi. 代表的な原因病原菌の種類は、肺炎球菌、肺炎桿菌、インフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、モラクセラといった細菌。 非定型肺炎は、細胞壁のないなど、一般的な細菌とは構造の異なる特殊な細菌、ウイルス、真菌などが原因となる肺炎。 代表的な原因病原菌の種類は、マイコプラズマ、クラミジア(クラミドフィラ)、レジオネラ菌といった特殊な細菌のほか、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルス、ニューモシスチス、クリプトコッカス、アスペルギルス、SARSウイルス、MERSウイルス、そして新型コロナウイルスなど。 , "A comparative study on the clinical features of COVID-19 pneumonia to other pneumonias. " Clinical Infectious Disease, doi.

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