シティー ハンター the movie 史上 最 香 の ミッション。 シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションのレビュー・感想・評価

【ネタバレ】『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』これぞ実写化のお手本だ!チェ・ブンブンのティーマ

シティー ハンター the movie 史上 最 香 の ミッション

週刊少年ジャンプにて掲載されていた北条司の人気漫画『』。 今年の初めに28年ぶりの映画版が公開され話題となった。 同じ頃、遠く離れたフランスでも実写化されていた! 『世界の果てまでヒャッハー!』、『真夜中のパリでヒャッハー!』、『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』で監督から脚本、さらには主演まで務め、フレンチコメディ界を賑わす新鋭フィリップ・ラショーがあまりに原作が好きすぎて、自ら北条司に交渉をしてまで映画化を試みたのだ。 しかも、自らが冴羽獠を演じるという狂気でもって。 そして、原作愛を伝えるべくファルコンは、ファルコンに似ている人 格闘家らしい をわざわざ探し出し、無名な俳優ながら抜擢する力のいれようである。 フランス映画界史上ワーストの評価である『DRAGONBALL EVOLUTION』を観て哀しんだ彼が挑む実写版、如何なものか? ネタバレありで語っていきます。 ボディガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー(始末屋)=「シティーハンター」ことリョウは、相棒のカオリとともに日々さまざま依頼を請け負っていた。 そんな2人のもとにある日、その香りをかいだ者を虜にする「キューピッドの香水」の奪回という危険な任務が持ち込まれる。 香水が悪用されれば世界は危機に陥ることは必至で、48時間というタイムリミットのなか、2人は香水を取り戻すために奔走する。 フランスの大ヒットコメディ映画「世界の果てまでヒャッハー!」を手がけたフィリップ・ラショーが監督・脚本・主演。 日本語吹き替え版は、リョウ役を山寺宏一、カオリ役を沢城みゆきが担当。 アニメ版オリジナルキャストの神谷明と伊倉一恵はスペシャルゲストとして、アニメ版とは異なる役の吹き替えで参加する。 これはカレーライスを食べたいのに、カレーに思い入れが強すぎて香辛料強めのインドカレーを出してきたり、ハヤシライスを出してきたり、酷い場合にはよくわからない創作カレーを出してきたりするのが原因である。 これは、金が潤沢にあるアメリカでも言える話であり、NETFLIX版『』の場合、本当に原作読んでいるのかすら怪しい、知能レベルお猿さんレベルの登場人物が右往左往する爆笑の原作崩壊であった。 『シティーハンター』の場合、冴羽獠がXYZのメッセージを受け取り、槇村香と共にドタバタ事件を解決する。 助平でキザな冴羽獠だが、こことぞいうときにはカッコよくキメる。 香とはどんなに親密になろうとも、決して結ばれず、Get Wild and toughとアスファルトを斬り付けて終わる。 昨今の社会情勢だと、パワハラセクハラ上等な内容で、少しでも気を緩めれば綺麗な作品へと修正されてしまうだろう。 しかし、それは『シティーハンター』ではない。 我々が観たいのは助平で気障な冴羽獠なのである。 そういったお下劣なのを観たくなければ、避ければ良いだけである。 フィリップ・ラショーはファッションからギャグから何から何まで厳格に『シティーハンター』をやってのけた。 ただ、それだけだと一見さんお断り映画になりかねないし、単なるコスプレ映画になってしまう。 フィリップ・ラショーはコメディの達人だ。 そしてオタクの鏡だ。 一見さんも楽しめ、『シティーハンター』の世界に惹かれるよう絶妙な塩梅でローカル化を図っていた。 フレンチコメディは、ハゲが好きである。 ハゲを制する者コメディを制すると言っても過言ではない。 『』、『ミッション・クレオパトラ』、『奇人たちの晩餐会』と人気者になるコメディ映画はハゲキャラが上手く活かされている。 本作の場合、『シティーハンター』の世界観に迷い込んだ、ちょび髭ギャグと、ちょっとゲイゲイしいキモ男を素晴らしい狂言回しとして機能させ、ピタゴラスイッチ的に状況を悪化させていくのです。 ハゲが、香水を使ってドンドン美女を翻弄し、事態を悪化させていく。 香水のせいで香にメロメロなキモ男は、彼女のことを変態きな目で追い回し、彼女を助けるかと思いきや、これまた事態を悪化させていく。 そんな彼はずっと帽子を被っているのだが、最後に彼もハゲだったというオチがつくのです。 そういった高度なことを、しれっとやってのけるフィリップ・ラショーに脱帽である。 しかも、全力で『シティーハンター』の世界観を盛り上げようと、原作にあったエロ本が飛び出す場面、100tハンマーシーンを完全再現するのはもちろん、冴羽獠目線のアクションを挿入したりととにかく徹底的に工夫して回る。 それでもって話は鈍重にならないように、余分なショットを削ぎ落とすのだ。 今回は相方のニコラ・ブナム不在だったようですが、それでも100tハンマーの威力を出せる彼は今後も注目していきたいです。 ただ、一部フランス語部分が翻訳されていなかったのでギャグが隠れてしまった部分がありました。 1点補足すると、冴羽獠が香水のせいで依頼人のルテリエに恋焦がれてしまい彼に電話をするのだが、彼に恋人がいて哀しみに暮れる場面。 この選挙の鋭さ、凄くないですか? 日本の字幕、吹き替えは著作権の関係で中々、劇中歌に字幕がつかない。 そうなるとどうしてもギャグが取りこぼれてしまう。 仕方ないことなのだが、この場面で笑っているのがブンブンだけで少し悲しかったです。

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シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション デラックス 吹替版

シティー ハンター the movie 史上 最 香 の ミッション

『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』感想(ネタバレなし) 理想の実写化がフランスからやってきた 漫画やアニメの実写化は地雷である…漫画&アニメ大国の日本に生きる私たちはそのことを否応なしに身に刻み込まれる経験をしてきました。 別にそれは日本コンテンツだけの悩みではなく、マーベルやDCのようなアメコミだって実写化で散々な失敗をしてきており、その積み重ねが今の大成功につながっているわけですが…。 ただ、日本は題材となるコンテンツの豊富さに反して、実写化の正攻法を見いだすのにいまだに悪戦苦闘しています。 それは考えるに日本のコンテンツのバラエティな幅広さがハードルを上げているのかもしれませんし、もしかしたら愛よりも商業性を重視する忖度ばかりな製作体制に原因があるのかもしれません。 一方で、 海外が日本コンテンツを実写化する事例も増え、伝説に残る手痛い失態もあれば、結構イケるのでは?という成功もあります。 「ドラゴンボール」の実写映画 『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009年)はトラウマ級の代物を生み出しました。 「攻殻機動隊」の実写映画 『ゴースト・イン・ザ・シェル』はキャスティングに対する批判もありながら難しい世界観の扱いに苦労している跡が見えました。 他にも 『Death Note デスノート』『人狼』『名探偵ピカチュウ』など、個性豊かな挑戦が続いています。 そんな中で 「これ以上のベストな実写化はないのでは?」と称賛したい一作との出会いが2019年にありました。 それが本作 『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』です。 言うまでもなく本作は 北条司が1985年より連載していた 漫画「シティーハンター」が原作です。 北条司の前作「キャッツ・アイ」の系譜を引き継ぐ、 ミッション達成型のハードボイルド&ややお間抜けなコメディ。 日本では今も根強い人気があり、2019年には『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』という最新アニメ映画も公開され、ファンをワクワクさせました。 でも正直、実写化は難しいのでは?と思ってしまう内容です。 なにせ原作が 極めて漫画的テイスト全開で描かれており、とてもじゃないですけどそう簡単にはリアル路線では成立しないように見えます。 実は香港や中国では実写映画化されており、韓国ではドラマ化もされているのですが、「シティーハンター」らしさを出すのには相当な苦労が窺えたりも…。 原作のコンセプトはシンプルなのに映像化は高難易度になるというのは、作品個性がしっかりしている証拠で、さすが北条司ワールドという感じですが…。 そんな「シティーハンター」をまさか フランスが実写映画化するとは予想外な方向からの弾丸でした。 フランス国内では「シティーハンター」のアニメは 「Nicky Larson」というタイトルで親しまれているのだそうです。 どれくらい親しまれているのかというと、 「シティーハンター アニメ 」のWikipediaの単独ページが日本語以外だと唯一フランス語にある…それくらいです。 このことからもフランス人は別格で「シティーハンター」を愛してくれているのがわかるでしょう。 彼はもともとテレビ業界で仕事をしており、そこから俳優、脚本、企画とエンターテイナーとして加速し続け、2014年に 『真夜中のパリでヒャッハー! 』という映画で監督デビューします。 これが大当たりし、続編の 『世界の果てまでヒャッハー! 』もヒットし、エンタメ監督の先頭を走ることに。 日本でもこの2作は公開され(2作目の方が先に公開されました)、珍しいもの好きの映画マニアの目にとまり、密かに話題を集めていました。 2017年には 『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』も公開されています。 どんどんトラブルが大規模化して 収拾がつかなくなるさまを上手くコントロールしながら描ききるセンス。 フランスの有名なコメディ映画と言えば『TAXi』シリーズがありましたが、あれも最近に最新作が出ましたが、どうも古臭さが否めない感じもありました。 自虐精神たっぷりな人柄が伝わってきます。 この監督作『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』でも 主役の冴羽獠を自分で主演しているわけですが、もうピッタリすぎて言うことなしです。 本作は日本でも公開前から話題沸騰で、公開決定後も デラックスな吹き替え版が作られるという、フランス映画としては異例の好待遇を受けていましたが、公開お披露目後はその完成度にシビアな目を持つ観客からも 大満足の声が続出。 こんなに理想的な成功をおさめた日本コンテンツ実写映画化作品は初めてなんじゃないでしょうか。 ということでまだ観ていないという人、もしくは「シティーハンター」を全然知らない人、全くもってウェルカムですので安心してください。 ボディーガードや探偵などあれこれを請け負う凄腕のスイーパー「シティーハンター」こと 冴羽獠(ニッキー・ラルソン)は、相棒の 槇村香(ローラ・マルコーニ)と活動するのが日課です。 今日も香は伝言板に新しい仕事の依頼が来ていたのを伝えるために獠を尋ねます。 あの女たらしはどうせ今日も女を連れ込んでいるのでは?といつものパターンで疑う香は獠の部屋に勢いよく入ると、 パンチングボールで吹き飛ばされました。 獠の悪趣味なイタズラに怒りつつ、またライフルのスコープで隣の女性たちを覗いていたことを責める香。 二人はだいたいこんな感じの付き合いです。 しかし、手に入れた鞄は別物で、バイク転倒時に近くの男が持つ鞄とすり替わったと発覚。 効果開始から 48時間以内に解毒剤を使わないと永遠にこのままなので、あと47時間。 獠は女に興味がなくなってドミニク一筋になり、香はパンチョに付きまとわれることになってしまいます。 一方、香水を手に入れてしまった ジルベール・スキッピーという冴えない男は、 ジェシカ・フォックスというセレブに会いに旅立ってしまったようです。 道中であれこれと女たちを(カルガモも)メロメロにさせ、突き進んでいくジルベール。 獠と香(とパンチョ)も後を追いますが、そこには香水をゲットしたい追っ手たちの追撃が…。 はた迷惑な香水をめぐる騒動は無事に消臭、違った、収拾をつけることはできるのか…。 なんなんだ、この再現度 『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』は多くの人が心配する再現度に関しては文句のつけようがないレベルの達成度を誇ると思います。 どうしてもコスプレの延長線になりそうなものですが、もともとの原作からして(日本人名だけど) 日本人的なキャラではなかったせいもあり、フランスの白人キャスティングでもなんら違和感がないのが功を奏しています。 というか、 白人の方が合っている気さえするほどで、逆に本作を観てしまうとこれを超える日本人キャスティングは思いつかないんじゃないか…。 クールでスタイリッシュだけど、終始駄々洩れている残念感を、完璧に体現していました。 ほんと、 アホなイケメンを演じさせたらこの人の右に出る者はいないような…。 ビジュアルの再現もさることながら、ちょっとした仕草や佇まいがもう香そのもので、変に露骨な女らしさを一切出さない徹底っぷりが良いです。 100tハンマーが似合う女なんてそうそういませんからね。 美容整形外科での戦闘もそうですし、あの中盤の車に乗っていると罠に嵌められて主観視点で戦闘していくシーン。 主観視点では凄くカッコいいのに、それを傍で見ている香の視点になるとなんかショボく見えるという、絶妙な抜け具合がいいですよね。 キザになりすぎないというか、ちゃんと笑いをとる意味をわかっているというか。 後半にはジルベール拘束状態なままのベッド引きずりカーアクションも展開。 そんなアクションはドラマ部分とも呼応しているのも本作のナイスさ。 射撃オンチと、獠への恋心を意識し始めたことが香の中に伏線として蓄積され、それらダブルで一気に解放される終盤の獠との 乱戦爽快アクションのカタルシス。 ここでもコンビネーションの最中にギャグを小刻みに挟みつつ、ジルベールは鳥シュートやパンチョの無能っぷりも合わさっての、謎のチームワークが感動的ですらあります。 ここでは香に花を持たせつつ、獠が単独でカッコいいシーンを最後の最後にとっておいてくれているのもニクイ演出です。 下ネタ満載、でもモラルも守っている『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』は、原作の実写化を考えるうえで最大の難問は 「下ネタ」をどうするかだと思います。 冴羽獠は女好きで美人に目がないという欲望直球型の男であり、原作でも性のネタに関して遠慮がありません。 一方で、昨今の規制的にも実写化にはその要素が支障をきたすのではないか、 原作どおりを求める人は規制にガッカリし、かたや性を扱う笑いのネタに不愉快さを感じる人も出るのでは…そういう危惧もあったことでしょう。 この点に関してあくまで私の感想ですが、本作は とても良いバランスを披露したのではないでしょうか。 少なくとも本作の下ネタに関して原作準拠ファンは一定の満足したはずです。 冒頭のアレからしていろいろやらかしまくっていますから、下ネタが少ない!と不満を言う人はいないかな、と。 一番の心配事項は女性への性的なネタです。 例えば、 おっぱいがポロンと出る…というシーンが一か所あるわけですが、それはジルベールの母親のものです。 結果、女性へのオブジェクティフィケーションというよりはむしろ 男側が恥をかくというニュアンスになっており、誰の胸をさらけ出すかの選択がわかっています。 また、 香がエレベーターにドレスが巻き込まれて下着姿になってしまうシーンもありますが、ここはランジェリーのファッションショー会場であるせいで、香が 性的快楽の目を向けられることはありません。 これがもし公共の場で同じシチュエーションだったら全く別の意味(言うまでもなく悪い意味ですが)になってしまうわけで、それを上手いこと回避しています。 そもそも本作のキーアイテムである香水も、使いようによっては性的暴力にいくらでも悪用できる品物です。 しかし、ジルベールはそれを 肉体的欲求を満たすことには使わないんですね。 一応、彼が魅了させてしまう女性は最初から彼に好意(厳密には親切心)を持っている相手に限定されています。 これがもし嫌がっている女性に魅了効果を使っていたらレイプと変わらないわけです。 最終的にジェシカ・フォックスと急接近できることになりますが、ここでも拘束プレイが展開されるので、 男側が劣勢になる状態を用意していて、男の支配性が出ないようになっています。 これでジルベールよりもはるかに年の若い女性をターゲットにしていたらマズい絵になるでしょうし…。 さらにドミニク(男)に魅了されてしまう獠のシーンも、 一歩間違えればゲイ差別になりかねません。 男同士なんて気持ち悪いというニュアンスを少しでも出したらアウトです。 しかし、そのヘマはしないどころか、獠が真っ当に(ステレオタイプなゲイっぽさゼロで)ドミニクを「これが終わったら食事でもどう?」を口説くので、むしろまんざらではないようにすら見えて、普段はもっこりとか言っている獠だからこそ、 平等な愛に見えてくる効果も…。 世の中には「ポリコレのせいでギャグができない!」と不満をあげる人もいますが、才能のある人はしっかり問題なく両立できる。 もちろんコメディは本質的に人を不愉快にさせるものでもありますから、本作を観てここが嫌だったという人がいても当然ですし、その不愉快に思った気持ちを表明することを妨げるべきではありません。 でも数ある下ネタコメディ映画の中で、本作は、この課題でもひとつの理想に近いものを示したのではないかと思います。 日本ではいまだに「貧困になった可愛い女性が性風俗で働くようになるから楽しい」と平然と公で言い放つ芸人がいるわけで、こんなようでは本作のような映画を作ることは夢のまた夢ですね。

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フランスで実写化!『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』監督&主演ラショーの原作愛がヤバい!

シティー ハンター the movie 史上 最 香 の ミッション

『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』感想(ネタバレなし) 理想の実写化がフランスからやってきた 漫画やアニメの実写化は地雷である…漫画&アニメ大国の日本に生きる私たちはそのことを否応なしに身に刻み込まれる経験をしてきました。 別にそれは日本コンテンツだけの悩みではなく、マーベルやDCのようなアメコミだって実写化で散々な失敗をしてきており、その積み重ねが今の大成功につながっているわけですが…。 ただ、日本は題材となるコンテンツの豊富さに反して、実写化の正攻法を見いだすのにいまだに悪戦苦闘しています。 それは考えるに日本のコンテンツのバラエティな幅広さがハードルを上げているのかもしれませんし、もしかしたら愛よりも商業性を重視する忖度ばかりな製作体制に原因があるのかもしれません。 一方で、 海外が日本コンテンツを実写化する事例も増え、伝説に残る手痛い失態もあれば、結構イケるのでは?という成功もあります。 「ドラゴンボール」の実写映画 『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009年)はトラウマ級の代物を生み出しました。 「攻殻機動隊」の実写映画 『ゴースト・イン・ザ・シェル』はキャスティングに対する批判もありながら難しい世界観の扱いに苦労している跡が見えました。 他にも 『Death Note デスノート』『人狼』『名探偵ピカチュウ』など、個性豊かな挑戦が続いています。 そんな中で 「これ以上のベストな実写化はないのでは?」と称賛したい一作との出会いが2019年にありました。 それが本作 『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』です。 言うまでもなく本作は 北条司が1985年より連載していた 漫画「シティーハンター」が原作です。 北条司の前作「キャッツ・アイ」の系譜を引き継ぐ、 ミッション達成型のハードボイルド&ややお間抜けなコメディ。 日本では今も根強い人気があり、2019年には『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』という最新アニメ映画も公開され、ファンをワクワクさせました。 でも正直、実写化は難しいのでは?と思ってしまう内容です。 なにせ原作が 極めて漫画的テイスト全開で描かれており、とてもじゃないですけどそう簡単にはリアル路線では成立しないように見えます。 実は香港や中国では実写映画化されており、韓国ではドラマ化もされているのですが、「シティーハンター」らしさを出すのには相当な苦労が窺えたりも…。 原作のコンセプトはシンプルなのに映像化は高難易度になるというのは、作品個性がしっかりしている証拠で、さすが北条司ワールドという感じですが…。 そんな「シティーハンター」をまさか フランスが実写映画化するとは予想外な方向からの弾丸でした。 フランス国内では「シティーハンター」のアニメは 「Nicky Larson」というタイトルで親しまれているのだそうです。 どれくらい親しまれているのかというと、 「シティーハンター アニメ 」のWikipediaの単独ページが日本語以外だと唯一フランス語にある…それくらいです。 このことからもフランス人は別格で「シティーハンター」を愛してくれているのがわかるでしょう。 彼はもともとテレビ業界で仕事をしており、そこから俳優、脚本、企画とエンターテイナーとして加速し続け、2014年に 『真夜中のパリでヒャッハー! 』という映画で監督デビューします。 これが大当たりし、続編の 『世界の果てまでヒャッハー! 』もヒットし、エンタメ監督の先頭を走ることに。 日本でもこの2作は公開され(2作目の方が先に公開されました)、珍しいもの好きの映画マニアの目にとまり、密かに話題を集めていました。 2017年には 『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』も公開されています。 どんどんトラブルが大規模化して 収拾がつかなくなるさまを上手くコントロールしながら描ききるセンス。 フランスの有名なコメディ映画と言えば『TAXi』シリーズがありましたが、あれも最近に最新作が出ましたが、どうも古臭さが否めない感じもありました。 自虐精神たっぷりな人柄が伝わってきます。 この監督作『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』でも 主役の冴羽獠を自分で主演しているわけですが、もうピッタリすぎて言うことなしです。 本作は日本でも公開前から話題沸騰で、公開決定後も デラックスな吹き替え版が作られるという、フランス映画としては異例の好待遇を受けていましたが、公開お披露目後はその完成度にシビアな目を持つ観客からも 大満足の声が続出。 こんなに理想的な成功をおさめた日本コンテンツ実写映画化作品は初めてなんじゃないでしょうか。 ということでまだ観ていないという人、もしくは「シティーハンター」を全然知らない人、全くもってウェルカムですので安心してください。 ボディーガードや探偵などあれこれを請け負う凄腕のスイーパー「シティーハンター」こと 冴羽獠(ニッキー・ラルソン)は、相棒の 槇村香(ローラ・マルコーニ)と活動するのが日課です。 今日も香は伝言板に新しい仕事の依頼が来ていたのを伝えるために獠を尋ねます。 あの女たらしはどうせ今日も女を連れ込んでいるのでは?といつものパターンで疑う香は獠の部屋に勢いよく入ると、 パンチングボールで吹き飛ばされました。 獠の悪趣味なイタズラに怒りつつ、またライフルのスコープで隣の女性たちを覗いていたことを責める香。 二人はだいたいこんな感じの付き合いです。 しかし、手に入れた鞄は別物で、バイク転倒時に近くの男が持つ鞄とすり替わったと発覚。 効果開始から 48時間以内に解毒剤を使わないと永遠にこのままなので、あと47時間。 獠は女に興味がなくなってドミニク一筋になり、香はパンチョに付きまとわれることになってしまいます。 一方、香水を手に入れてしまった ジルベール・スキッピーという冴えない男は、 ジェシカ・フォックスというセレブに会いに旅立ってしまったようです。 道中であれこれと女たちを(カルガモも)メロメロにさせ、突き進んでいくジルベール。 獠と香(とパンチョ)も後を追いますが、そこには香水をゲットしたい追っ手たちの追撃が…。 はた迷惑な香水をめぐる騒動は無事に消臭、違った、収拾をつけることはできるのか…。 なんなんだ、この再現度 『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』は多くの人が心配する再現度に関しては文句のつけようがないレベルの達成度を誇ると思います。 どうしてもコスプレの延長線になりそうなものですが、もともとの原作からして(日本人名だけど) 日本人的なキャラではなかったせいもあり、フランスの白人キャスティングでもなんら違和感がないのが功を奏しています。 というか、 白人の方が合っている気さえするほどで、逆に本作を観てしまうとこれを超える日本人キャスティングは思いつかないんじゃないか…。 クールでスタイリッシュだけど、終始駄々洩れている残念感を、完璧に体現していました。 ほんと、 アホなイケメンを演じさせたらこの人の右に出る者はいないような…。 ビジュアルの再現もさることながら、ちょっとした仕草や佇まいがもう香そのもので、変に露骨な女らしさを一切出さない徹底っぷりが良いです。 100tハンマーが似合う女なんてそうそういませんからね。 美容整形外科での戦闘もそうですし、あの中盤の車に乗っていると罠に嵌められて主観視点で戦闘していくシーン。 主観視点では凄くカッコいいのに、それを傍で見ている香の視点になるとなんかショボく見えるという、絶妙な抜け具合がいいですよね。 キザになりすぎないというか、ちゃんと笑いをとる意味をわかっているというか。 後半にはジルベール拘束状態なままのベッド引きずりカーアクションも展開。 そんなアクションはドラマ部分とも呼応しているのも本作のナイスさ。 射撃オンチと、獠への恋心を意識し始めたことが香の中に伏線として蓄積され、それらダブルで一気に解放される終盤の獠との 乱戦爽快アクションのカタルシス。 ここでもコンビネーションの最中にギャグを小刻みに挟みつつ、ジルベールは鳥シュートやパンチョの無能っぷりも合わさっての、謎のチームワークが感動的ですらあります。 ここでは香に花を持たせつつ、獠が単独でカッコいいシーンを最後の最後にとっておいてくれているのもニクイ演出です。 下ネタ満載、でもモラルも守っている『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』は、原作の実写化を考えるうえで最大の難問は 「下ネタ」をどうするかだと思います。 冴羽獠は女好きで美人に目がないという欲望直球型の男であり、原作でも性のネタに関して遠慮がありません。 一方で、昨今の規制的にも実写化にはその要素が支障をきたすのではないか、 原作どおりを求める人は規制にガッカリし、かたや性を扱う笑いのネタに不愉快さを感じる人も出るのでは…そういう危惧もあったことでしょう。 この点に関してあくまで私の感想ですが、本作は とても良いバランスを披露したのではないでしょうか。 少なくとも本作の下ネタに関して原作準拠ファンは一定の満足したはずです。 冒頭のアレからしていろいろやらかしまくっていますから、下ネタが少ない!と不満を言う人はいないかな、と。 一番の心配事項は女性への性的なネタです。 例えば、 おっぱいがポロンと出る…というシーンが一か所あるわけですが、それはジルベールの母親のものです。 結果、女性へのオブジェクティフィケーションというよりはむしろ 男側が恥をかくというニュアンスになっており、誰の胸をさらけ出すかの選択がわかっています。 また、 香がエレベーターにドレスが巻き込まれて下着姿になってしまうシーンもありますが、ここはランジェリーのファッションショー会場であるせいで、香が 性的快楽の目を向けられることはありません。 これがもし公共の場で同じシチュエーションだったら全く別の意味(言うまでもなく悪い意味ですが)になってしまうわけで、それを上手いこと回避しています。 そもそも本作のキーアイテムである香水も、使いようによっては性的暴力にいくらでも悪用できる品物です。 しかし、ジルベールはそれを 肉体的欲求を満たすことには使わないんですね。 一応、彼が魅了させてしまう女性は最初から彼に好意(厳密には親切心)を持っている相手に限定されています。 これがもし嫌がっている女性に魅了効果を使っていたらレイプと変わらないわけです。 最終的にジェシカ・フォックスと急接近できることになりますが、ここでも拘束プレイが展開されるので、 男側が劣勢になる状態を用意していて、男の支配性が出ないようになっています。 これでジルベールよりもはるかに年の若い女性をターゲットにしていたらマズい絵になるでしょうし…。 さらにドミニク(男)に魅了されてしまう獠のシーンも、 一歩間違えればゲイ差別になりかねません。 男同士なんて気持ち悪いというニュアンスを少しでも出したらアウトです。 しかし、そのヘマはしないどころか、獠が真っ当に(ステレオタイプなゲイっぽさゼロで)ドミニクを「これが終わったら食事でもどう?」を口説くので、むしろまんざらではないようにすら見えて、普段はもっこりとか言っている獠だからこそ、 平等な愛に見えてくる効果も…。 世の中には「ポリコレのせいでギャグができない!」と不満をあげる人もいますが、才能のある人はしっかり問題なく両立できる。 もちろんコメディは本質的に人を不愉快にさせるものでもありますから、本作を観てここが嫌だったという人がいても当然ですし、その不愉快に思った気持ちを表明することを妨げるべきではありません。 でも数ある下ネタコメディ映画の中で、本作は、この課題でもひとつの理想に近いものを示したのではないかと思います。 日本ではいまだに「貧困になった可愛い女性が性風俗で働くようになるから楽しい」と平然と公で言い放つ芸人がいるわけで、こんなようでは本作のような映画を作ることは夢のまた夢ですね。

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