艦これ ss 深海提督。 【艦これSS】提督「しまった! 深海棲艦に捕まった!」

深海の提督さん【艦これ】 : 艦隊これくしょん SS

艦これ ss 深海提督

彼女は目を覚ました後、パニックに陥った。 司令官はどこなのか、皆はどこなのか、護衛の深海棲艦は無言で、力づくで、朝潮を抑える。 下っ端の深海棲艦は声を持たない。 故に、行動で示す他に術がなかった。 そして、朝潮と深海提督が対面する。 そのとき、朝潮の警戒心に溢れた攻撃的な目が、一気に輝きを放つ。 「司令官!」 朝潮は深海提督に飛びつく。 深海提督に付き添っていた秘書は、朝潮を殴って制した。 「司令官……司令官ではないのですか?」 朝潮は助けを乞うような表情を浮かべ、深海提督を見つめる。 「あなたは何を言っているの? この御方は、ここの提督です。 そしてあなたは我々の捕虜です」 朝潮はわけがわからず、呆然と、深海提督を見つめる。 「司令官、ではないのですか?」 実際、深海提督は、朝潮が敬愛する鎮守府の提督とそっくりだった。 わけのわからない所に入れられ、不安が胸を圧迫していた朝潮にとって深海提督は、暗闇に差し込んだたった一筋の光だった。 一方、深海提督は、朝潮に愛情を抱き始めていた。 それは、憎む艦娘という存在に対する、理性を超えた、純粋な愛情だった。 朝潮の、従順で素直な性格、愛らしい表情に惚れていた。 深海提督の部下である深海棲艦は皆、彼を上官としては見てくれるものの、それ以上の関係は築かれなかった。 ただし、それだけの理由で朝潮を生かしておくことは許されない。 「……軍隊に迎え、出撃させる」 「っ! なぜですか?」 秘書は、朝潮はこの場で殺されるものと思っていた。 しかし、この、艦娘を誰よりも憎んでいる提督が、艦娘を生かし、しかも軍隊に入れると言い出したのだ。 驚かないはずがない。 「艦娘は強い。 軍隊が全滅するほどに。 よって十分な戦力になる。 艤装の修理を頼む」 深海提督は朝潮に歩み寄り、話しかける。 「君の名前はなんだ?」 朝潮は見慣れた姿、聞きなれた声に対して緊張をほぐし、笑顔で、 「はい! 朝潮と申します」 と答えた。 実際、朝潮は立派に戦力となった。 一航戦の艦載機をうまくかわし、攻撃を受けたものの、轟沈しなかったのだ。 しかし、感情が戦いを邪魔するのだ。 「喉をつぶしてはどうですか?」 秘書が深海提督に提案する。 「将来的に幹部をやってもらいたいとも思っている」 深海提督はそう言ってごまかした。 実のところ秘書は、深海提督が朝潮に何かしらの特別な感情を抱いていることは感じていた。 それが深海棲艦の滅亡を、つまり自分の死を暗示していることも感じていた。 それでも秘書は淡々と、深海提督の命令に従った。 一方、鎮守府では、朝潮の轟沈に相当なショックを受けていた。 それは、朝潮と深海棲艦側との取引だった。 「君が生きているのは奇跡だ、そして、我々の慈悲によるものだ。 我々に協力をしてくれないか?」 朝潮は少し考えこんだのち、首を横に振る。 「ごめんなさい。 せっかく助けていただいたのですが、無理です」 「どうか、頼みたい」 「……戦わず、仲良くするというのは、だめなんですか?」 いわゆる、『和解』という考え。 それは、深海提督が、最初に諦めたものだった。 「……我々が生きていくのに人間は邪魔だ。 人間が生きていくのに、我々は邪魔だ。 ……仲良くなど、不可能だ」 朝潮が黙り込む中、深海提督は続ける。 「平和は誰もが望むものだ。 旗艦はあの、深海提督の秘書。 大事な戦いだからと言って、深海提督が直々に推薦した旗艦だった。 鎮守府側との会敵。 軽巡洋艦の『北上』が旗艦をやっている。 北上は朝潮を見て、叫んだ。 「朝潮ちゃん! 朝潮ちゃんでしょ! なんでそっちにいるのかは知んないけど、戻っておいでよ!」 北上は少量の涙を浮かべて、精いっぱいに、叫んだ。 その声は朝潮の耳にも届いた。 しかし、朝潮は反応をしなかった。 それは秘書より、「艦娘を庇ったら、お前をこの場で殺す」と出撃の前に言われていたからである。 旗艦の秘書が、無言で朝潮の頭に砲口を突きつける。 仲間を裏切るという考えは、朝潮にはなかった。 そして、朝潮にとっての仲間とは、鎮守府の皆であり、深海提督であった。 朝潮はゆっくりと、お面を外した。 それを、北上を初めとする鎮守府側の艦隊の各々は確認した。 「朝潮ちゃん! おいで、帰ってきて!」 今、朝潮にできることは何だろうか? 朝潮は北上に向かって小さく微笑んだ後、自分の艤装を解除した。 艤装は海に沈んでゆく。 これは、戦う意志がないことを表明するものであると同時に、砲口を突きつけられた朝潮にとっては、引き返すことのできない自殺行為でもある。 朝潮は北上のもとへと行く。 秘書は朝潮めがけて砲撃をするが、砲が自爆。 艦娘の皆に出迎えられると同時に、朝潮はその場に倒れた。 丸一日眠った後、提督が深海棲艦のアジトについて尋ねる。 「朝潮、病み上がりで申し訳ないが、深海棲艦について何か分かったことがあれば、教えてほしい」 朝潮ははっきりしない表情を浮かべて、首をかしげる。 「あの……私は一体何をしていたんでしょうか?」 深海棲艦側で過ごした数日間を、朝潮は全く覚えていなかった。 提督は朝潮が口封じされている可能性を考慮してしつこく尋ねるが、朝潮は本当に覚えていないのだ。 挙句の果てに、「自分はなぜまだ生きているのか」と言い出し、ひどく取り乱した。 その後、ぱたりと深海棲艦の攻撃がやんだ。 海を調査しても、見つかるのはせいぜい深海棲艦の死体ぐらいで、アジトも、生き残りも、見つからなかった。 -FIN.

次の

【大和SS】提督「艦娘が全員深海側のスパイだった」

艦これ ss 深海提督

コメント一覧• 比べてレの字や大半の姫級はかなり短そう。 ツァを要所に配置するのが割とコスパ良いんだろうな。 深海凄艦はその場に湧いて出るだけだし。 ただ年4回だけ深海提督が湧いて出て作戦おっ始めるんや。 ただこっちを滅ぼそうとかは考えてないで。 上に帰りたい思ってる子を帰りやすいようにしてるだけなんや。 いいやつやん、深海提督ってw• あ、大淀、今日も一次会だけなの?門限が21時?真面目だねえ。 バグってる?」• ヒト型に見える有機部は基本的には水死体からの再構築の為元の性別は判然としないが、姫・鬼種の場合「パーツの揃った一点物のXX素体」であることが多い(轟沈して反転した艦娘は最良の素体である)• 「おっ!デイリーでクソガキ出たでぇ!これは最終海域の初手に配置してっと」って感じ•

次の

【大和SS】提督「艦娘が全員深海側のスパイだった」

艦これ ss 深海提督

彼女は目を覚ました後、パニックに陥った。 司令官はどこなのか、皆はどこなのか、護衛の深海棲艦は無言で、力づくで、朝潮を抑える。 下っ端の深海棲艦は声を持たない。 故に、行動で示す他に術がなかった。 そして、朝潮と深海提督が対面する。 そのとき、朝潮の警戒心に溢れた攻撃的な目が、一気に輝きを放つ。 「司令官!」 朝潮は深海提督に飛びつく。 深海提督に付き添っていた秘書は、朝潮を殴って制した。 「司令官……司令官ではないのですか?」 朝潮は助けを乞うような表情を浮かべ、深海提督を見つめる。 「あなたは何を言っているの? この御方は、ここの提督です。 そしてあなたは我々の捕虜です」 朝潮はわけがわからず、呆然と、深海提督を見つめる。 「司令官、ではないのですか?」 実際、深海提督は、朝潮が敬愛する鎮守府の提督とそっくりだった。 わけのわからない所に入れられ、不安が胸を圧迫していた朝潮にとって深海提督は、暗闇に差し込んだたった一筋の光だった。 一方、深海提督は、朝潮に愛情を抱き始めていた。 それは、憎む艦娘という存在に対する、理性を超えた、純粋な愛情だった。 朝潮の、従順で素直な性格、愛らしい表情に惚れていた。 深海提督の部下である深海棲艦は皆、彼を上官としては見てくれるものの、それ以上の関係は築かれなかった。 ただし、それだけの理由で朝潮を生かしておくことは許されない。 「……軍隊に迎え、出撃させる」 「っ! なぜですか?」 秘書は、朝潮はこの場で殺されるものと思っていた。 しかし、この、艦娘を誰よりも憎んでいる提督が、艦娘を生かし、しかも軍隊に入れると言い出したのだ。 驚かないはずがない。 「艦娘は強い。 軍隊が全滅するほどに。 よって十分な戦力になる。 艤装の修理を頼む」 深海提督は朝潮に歩み寄り、話しかける。 「君の名前はなんだ?」 朝潮は見慣れた姿、聞きなれた声に対して緊張をほぐし、笑顔で、 「はい! 朝潮と申します」 と答えた。 実際、朝潮は立派に戦力となった。 一航戦の艦載機をうまくかわし、攻撃を受けたものの、轟沈しなかったのだ。 しかし、感情が戦いを邪魔するのだ。 「喉をつぶしてはどうですか?」 秘書が深海提督に提案する。 「将来的に幹部をやってもらいたいとも思っている」 深海提督はそう言ってごまかした。 実のところ秘書は、深海提督が朝潮に何かしらの特別な感情を抱いていることは感じていた。 それが深海棲艦の滅亡を、つまり自分の死を暗示していることも感じていた。 それでも秘書は淡々と、深海提督の命令に従った。 一方、鎮守府では、朝潮の轟沈に相当なショックを受けていた。 それは、朝潮と深海棲艦側との取引だった。 「君が生きているのは奇跡だ、そして、我々の慈悲によるものだ。 我々に協力をしてくれないか?」 朝潮は少し考えこんだのち、首を横に振る。 「ごめんなさい。 せっかく助けていただいたのですが、無理です」 「どうか、頼みたい」 「……戦わず、仲良くするというのは、だめなんですか?」 いわゆる、『和解』という考え。 それは、深海提督が、最初に諦めたものだった。 「……我々が生きていくのに人間は邪魔だ。 人間が生きていくのに、我々は邪魔だ。 ……仲良くなど、不可能だ」 朝潮が黙り込む中、深海提督は続ける。 「平和は誰もが望むものだ。 旗艦はあの、深海提督の秘書。 大事な戦いだからと言って、深海提督が直々に推薦した旗艦だった。 鎮守府側との会敵。 軽巡洋艦の『北上』が旗艦をやっている。 北上は朝潮を見て、叫んだ。 「朝潮ちゃん! 朝潮ちゃんでしょ! なんでそっちにいるのかは知んないけど、戻っておいでよ!」 北上は少量の涙を浮かべて、精いっぱいに、叫んだ。 その声は朝潮の耳にも届いた。 しかし、朝潮は反応をしなかった。 それは秘書より、「艦娘を庇ったら、お前をこの場で殺す」と出撃の前に言われていたからである。 旗艦の秘書が、無言で朝潮の頭に砲口を突きつける。 仲間を裏切るという考えは、朝潮にはなかった。 そして、朝潮にとっての仲間とは、鎮守府の皆であり、深海提督であった。 朝潮はゆっくりと、お面を外した。 それを、北上を初めとする鎮守府側の艦隊の各々は確認した。 「朝潮ちゃん! おいで、帰ってきて!」 今、朝潮にできることは何だろうか? 朝潮は北上に向かって小さく微笑んだ後、自分の艤装を解除した。 艤装は海に沈んでゆく。 これは、戦う意志がないことを表明するものであると同時に、砲口を突きつけられた朝潮にとっては、引き返すことのできない自殺行為でもある。 朝潮は北上のもとへと行く。 秘書は朝潮めがけて砲撃をするが、砲が自爆。 艦娘の皆に出迎えられると同時に、朝潮はその場に倒れた。 丸一日眠った後、提督が深海棲艦のアジトについて尋ねる。 「朝潮、病み上がりで申し訳ないが、深海棲艦について何か分かったことがあれば、教えてほしい」 朝潮ははっきりしない表情を浮かべて、首をかしげる。 「あの……私は一体何をしていたんでしょうか?」 深海棲艦側で過ごした数日間を、朝潮は全く覚えていなかった。 提督は朝潮が口封じされている可能性を考慮してしつこく尋ねるが、朝潮は本当に覚えていないのだ。 挙句の果てに、「自分はなぜまだ生きているのか」と言い出し、ひどく取り乱した。 その後、ぱたりと深海棲艦の攻撃がやんだ。 海を調査しても、見つかるのはせいぜい深海棲艦の死体ぐらいで、アジトも、生き残りも、見つからなかった。 -FIN.

次の