アルビノ 襲撃。 腕を切り落とされた理由は…「肌の色」 ”アルビノ狩り”の壮絶体験

アフリカの闇市を恐れるアルビノ少女 偏見はいまだに根深く

アルビノ 襲撃

東京アルビニズム会議では、マリアム・スタフォードさんが襲撃された直後の写真も紹介された=関田航撮影 「就寝中、隣人を含む男4人が家に押し入ってきました。 一人に、ベッドに押さえつけられ、ナタで右腕を切断されました。 男は切り取った右腕を、ほかの男たちに投げ渡しました。 私は叫び、必死に抵抗しましたが、左腕も。 一緒にいた2歳の息子は、事件の一部始終を目撃しました。 おなかにいた6カ月の胎児も失いました」 「私は叫び声を上げ、助けを求めました。 同じ敷地内に両親らが住んでいましたが、襲撃者たちが外から鍵をかけていたため、出られない状態でした。 みんなで叫び、ようやく近隣の人が気づいてくれました。 車がないので、村人が病院まで運んでくれました。 治療を受けられたのは、事件から7時間後。 この事件で、実行犯を含め6人が逮捕されました。 うち一人が呪術師でした」 事件後、マリアムさんの生活は一変しました。 腕を失ったため、料理や農作業はできなくなり、絶望の淵に突き落とされました。 「腕を失い、2歳の息子を抱くことさえできなくなりました。 何もできないという現実は受け入れがたいものでした。 フィアンセも、私の元を去っていきました」 東京アルビニズム会議にあわせ、写真家パトリシア・ウィロックさんがアフリカのアルビノの人たちを撮影した写真展も開かれた 「子ども時代、私はひとりぼっちでした。 私を見ると、同年代の子どもたちはみんな逃げました。 両親は、私を学校に行かせてくれませんでした。 祖母が説得してくれ、10歳の時、幼稚園に入園しました」 「学校に進学しましたが、字が読めない、書けない状態。 アルビノのため弱視なので、前の席に行こうとすると、体が大きいので、『邪魔だ』と言われました。 先生には、たたかれました。 私は学校に行かなくなり、藪(やぶ)の中に隠れる日々を4年間続けました」 いつしか、マリアムさんは自分を「人間以下の存在」ととらえるようになりました。 「自分の姿を見て、『私がみんなと違って変だから、避けられるのだろう』と思い、自分自身を責めました。 私は人間として足らない存在で、人間ではなく、単なる『モノ』なのかもしれないと」 東京アルビニズム会議で体験を語るマリアム・スタフォードさん=関田航撮影 アメリカの議員に協力求める 襲撃を受け、絶望の中にいたマリアムさんを救ったのが、アメリカ国民でした。 事件から1年後の2009年、アメリカに招かれ、義手を手に入れました。 「私が襲撃されたことがアメリカで報道されると、支援したいとの声がわき起こったといいます。 NGOや医師などの支援を得て、アメリカに行き、無償で義手をつくってもらいました」 「アメリカの議員にも会い、『アルビノ狩りの悲惨な状況を終わらせて』と訴えました。 すると、アメリカの議会下院がアルビノ狩りを非難する決議を採択してくれました。 アメリカの人々は私の勇気をたたえ、尊敬してくれました」 東京アルビニズム会議には、アルビノの当事者を含め多くの来場者が訪れた=関田航撮影 「襲撃した男たちを、許したい」 タンザニアに帰国後、マリアムさんは職業訓練校に通い、編み物を学びました。 今は、セーターやスカーフを製作しています。 仕事の傍ら、「悲惨な出来事が起きていることを、世界中の人々に知ってほしい」と、国内外でアルビノ狩りに遭った体験を語っています。 そして「襲撃した男たちを、許したい」と言います。 「許さなければ、心の平和を取り戻すことはできません。 私は、自分の人生を前に進めなければなりません。 仕事で自立するのが今の目標です。 その姿をほかのアルビノの人たちに見せたいと思っています」 今年10月、マリアムさんはアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(標高5895m)に、ほかのアルビノの女性6人とともに登りました。 「たとえアルビノであっても、両腕がなくても、できないことは何もないということを示すために登りました。 私にとって、襲撃を受けてからの人生が最大のチャレンジです。 そのチャレンジのシンボルとして、キリマンジャロを登りました」 東京アルビニズム会議で体験を語ったマリアム・スタフォードさん(左から2人目)ら=関田航撮影 「私たちは同じ人間なんだ」 タンザニアでは、1400人に1人の割合で、アルビノで生まれるとされています。 一方、日本では1万~2万人に1人とされます。 日本では、学校でのいじめや、就職活動で差別にあう「見た目問題」に苦しむアルビノの人たちいがいます。 マリアムさんは、こう訴えます。 「社会の変化をただ待つのではなく、自分の中に変化を見いだすことが大事です。 まずはアルビノであることを自ら受け入れ、自分を信じて、やりたいことに挑戦することです。 そうすれば、ほかの人たちも私たちアルビノを受け入れてくれるようになると思います」 「アルビノは単なる遺伝子疾患にすぎません。 私たちは『あなたと同じ人間なんだ』と、私たちが暮らす地域、そして社会に向けて訴え続けなければなりません。 社会がアルビノの人々に向ける視線を、私たちの力で変えていく必要があります」 アルビノのマリアム・スタフォードさん。 「アルビノ狩り」の被害に遭い、男たちに両腕を切断された 男たちに襲われ切断されたマリアム・スタフォードさんの腕 東京で開かれた、アルビニズム会議の様子。 マリアム・スタフォードさんが襲撃された直後の写真が紹介された アルビノのマリアム・スタフォードさん(左) 写真家パトリシア・ウィロックさんがアフリカのアルビノの人たちを映した写真展も開かれた 写真家パトリシア・ウィロックさんがアフリカのアルビノの人たちを映した写真展も開かれた 写真家パトリシア・ウィロックさんがアフリカのアルビノの人たちを映した写真展も開かれた アルビノのマリアム・スタフォードさん(左から2人目) マリアム・スタフォードさん(右) アルビノのマリアム・スタフォードさん 東京アルビニズム会議で、日本のアルビノを巡る状況を説明した立教大助教の矢吹康夫さん 東京アルビニズム会議での発表を聞く参加者たち 香港生まれのアルビノ・ジャズシンガー、コニー・チュウさんのライブパフォーマンスも開かれた アルビノの神原由佳さん。 写真は、幼なじみでデザイナーのいとかな(cana ito さんが撮影・提供 出典:いとかな(cana ito さん撮影・提供 幼少期の神原さん。 このころは、自分と他人との違いを意識することはなかった 出典:神原さん提供 幼少期の神原さん。 このころは、自分と他人との違いを意識することはなかった 出典:神原さん提供 小学校高学年の遠足のときに撮影した一枚。 「ふつう」でないことに心が張り詰めていた 出典:神原さん提供 神原さん 出典:いとかな(cana ito さん撮影・提供 神原さん 出典:いとかな(cana ito さん撮影・提供 友人の結婚式に参加した神原さん(後列中央)。 特徴的な見た目から、「恋愛も結婚も無縁」と思い詰めた時期もあったが、今は前向きに考えているという 出典:神原由佳さん提供 神原さん 出典:いとかな(cana ito さん撮影・提供 神原さん 出典:いとかな(cana ito さん撮影・提供 神原さん 出典:いとかな(cana ito さん撮影・提供 特徴的な外見で苦労する「見た目問題」がテーマの写真展で、自らの目を写した作品前でポーズを取る神原さん 出典:冨樫東正撮影・提供 神原さんがモデルを務めた写真 出典:本田織恵撮影・提供 神原さんの瞳を写した作品「星を見ている」 出典:冨樫東正撮影・提供 神原さんは、「見た目問題」の非当事者とも楽しい関係を築きたいと考えている 出典:冨樫東正撮影・提供 アルビノ当事者と家族の交流を促す「アルビノ・ドーナツの会」を設立した薮本舞さん アルビノで、 シンガーソングライターの伊禮恵さん。 髪の色も、伊禮さんのように茶色の人もいるなど様々 アルビノフェスを昨年開いた、きゃさりん@47さん(中央) アルビノエンターテイナーの粕谷幸司さん アルビノエンターテイナーの粕谷幸司さん アルビノで、国際協力機構(JICA)職員として働く伊藤大介さん 世界各地のアルビノ当事者が集う国際会議に参加した伊藤さん タンザニアのアルビノの子(前列)。 紫外線に弱いため帽子をかぶっていた=2015年11月 出典:日本財団提供 おすすめ記事(PR)•

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「アルビノなのにブス」中傷された私、外見重視の社会に言いたいこと

アルビノ 襲撃

アルビノの悲劇を拡大するな! 5月1日付けのAFPBB Newsによれば、国連(UN)のアルビノ(先天性白皮症)の人権問題の専門家で、自らもアルビノのイクポンウォサ・エロ氏は4月29日、アフリカ南東部マラウイに居住するアルビノの殺人事件が頻発しているため、アルビノが壊滅する危機に瀕していると警告した。 高額で取引されているアルビノの人々の身体 マラウイの裁判所は先週、アルビノの女性(21)を殺害した2人の男性に対して禁錮17年を言い渡した。 警察の報道官によれば、女性を殺害した女性のおじ(38)と共犯者は「殺害したのは悪魔だ」と訴え、寛大な措置を求めたという。 12日間にわたって現地を調査したエロ氏は、「2014年からアルビノの人々への襲撃、誘拐、殺人がマラウイ警察に65件も報告されている。 1万人いるアルビノの人口を脅かすほどの危機的状況だ」と報道陣に語った。 エロ氏によれば、マラウイではアルビノの人体の一部を持っていると、富を増やし、事業を繁栄させ、雇用を促進すると妄信されているため、アルビノが犠牲になっている。 また、死後も遺体の一部が墓地から盗まれ、高額で取引されているという。 アフリカ南東部のタンザニアでは2000~4000人に1人の高確率でアルビノの子どもが生まれ、アルビノへの差別や迫害、人身売買や虐待、傷害や殺人が多発している。 なぜアルビノの人々は迫害を受けているのか? 頭、腕、脚、舌、性器を手に入れるアルビノ狩りが日常的に起きているのは、アルビノの体内に特別な秘薬や魔術が宿り、幸運や繁栄、悪病の快癒をもたらすと信じられているからだ。 アルビノの女性と性交するとエイズが治ると信じられている地域もあり、レイプ被害も深刻化している。 これらの迷信の発端は不明だ。 だが、呪術師ら約800人が所属する呪術師協会のユスフ・ニャキラ会長によれば、人体を使う呪術は伝統に反するが、一部の呪術師が人々を欺いているのが原因と説明する。 また、タンザニアでアルビノの人々を支援する国際NGOによれば、迷信は白人へのコンプレックスが関係していると見る。 つまり、ほとんどが有色人種のアフリカでは、白い肌は植民地支配の記憶を甦らせるので、豊かさへの羨望の裏返しとして、アルビノへの迫害や排除につながっていると指摘する。

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腕を切り落とされた理由は…「肌の色」 ”アルビノ狩り”の壮絶体験

アルビノ 襲撃

『アルビノ』とは? 『アルビノ(albino)』は、生まれつきメラニン色素を生成する遺伝情報が欠落し、目の虹彩、体毛、皮膚などの色が白化してしまう 先天性の遺伝性疾患です。 『先天性白皮症(はくひしょう)』、または 『先天性色素欠乏症 』とも呼ばれるこの疾患は、 染色体劣性遺伝という形式で子孫に遺伝します。 人は両親から1つずつ、合計で2つの遺伝子をもらいますが、染色体劣性遺伝の症状は、もらった遺伝子の両方に異常があった場合のみ発現します。 要するに、 たとえ両親がアルビノでなくても子供がアルビノになる、という現象が起こり得るのです。 photo by 日光に含まれる紫外線は、皮膚細胞の遺伝子を傷つけ、皮膚がんを引き起こします。 人間の皮膚の表皮と真皮の間には、 『メラノサイト』という細胞があり、紫外線や様々なホルモンに反応して 『メラニン』という黒い色素を作ります。 このメラニンが、外からの紫外線を防ぐ役目を持っているのです。 しかし、アルビノの人たちはメラニンが極端に少ないので、紫外線によるダメージが大きく、日光が当たると激しい日焼けを起こしてしまいます。 なので、アルビノの人たちは、なるべく紫外線の強い時間帯での外出を避けなくてはならず、曇り空でも肌の露出を少なくする、もしくは日焼け止めクリームを使う必要があるのです。 加えてアルビノがある人たちは、視力が眼鏡をかけても0. 1以下のような『 弱視』になることが多く、目の位置がずれる『 斜視』だったり、眼が小刻みに震える『 眼振(がんしん)』もなりやすかったりします。 photo by ちなみに、 マイケル・ジャクソンさんがかかっていたのは、 『尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)』という疾患で、こちらは生まれつきの病気ではなく、大人や高齢者になってから皮膚の色が白くなってくる後天性の皮膚病です。 アルビノの割合は、 2万人に1人程度とされています。 タンザニアでの凶行『アルビノ狩り』 世界中にいる約2万人のアルビノ人口の多くが、アフリカ南東部(サブサハラ)に集中しています。 中でもタンザニアでは国民の 1400人に1人がアルビノと言われており、タンザニア周辺がアルビノの発祥の地ではないかとされています。 しかし、タンザニアにおいては、国際社会からの批判が相次ぐ今でもなお、アルビノの人たちを狙った残虐な殺人が後をたちません。 いわゆる 『アルビノ狩り』です。 photo by タンザニアでは、アルビノの誕生は悪運をもたらすと信じられている一方で、『 ムチャウイ』と呼ばれる呪術師によってアルビノの身体の一部を煮出したものは、幸運と繁栄を運ぶ秘薬として使用する風習があるそうです。 襲撃の際に泣き叫ぶ声が大きければ大きいほど、切断部位に宿る力は強力になるとも言われています。 西洋諸国から遠く離れたタンザニア。 医療の発達していない時代に、特別な力があると信じられてきたムチャウイは、頼るべき全能なる医者だったのです。 アルビノの人たちから作られたその秘薬は、様々な効能があるとされ、身体的な問題を治すだけでなく、鉱脈を見つけたい者は地面にその秘薬をまき、また漁師は大漁を祈ってカヌーに秘薬を塗ります。 タンザニア人の平均年収が30万円前後であることを考えると、相当な金額であることが分かります。 このため、アルビノの人たちは、肉親に売られてしまうケースもあるのです。 本当に、この世の話とは思えませんね・・・・・・ここまで行くと『人権』という言葉はもはや存在しません。 ユニセフなどの活動で、アルビノの人たちの保護施設が設置してはいますが根本的な解決には繋がっていません。 いかがでしたでしょうか?この記事で、少しでもアルビノについて理解を深めて頂けたら幸いです。

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