クリスマス キャロル ディケンズ。 自分の考え方を変えれば、人生は変わる! 『クリスマスキャロル』より

小説『クリスマス・キャロル』あらすじと感想。ディケンズ永遠の名作

クリスマス キャロル ディケンズ

スクルージとボブ・クラチット。 ジョン・リーチ(絵)[public domain] 目が覚めてみると、クリスマスの朝だった。 スクルージは、一晩のうちに3人の幽霊が来てくれたことに気づく。 スクルージはすっかり心を入れ替え、愉快で幸せな気分になっていた。 手始めに、クラチット家に匿名で七面鳥を送り、昨日断った相手に多額の寄付を決め、甥の家のパーティーに参加した。 翌日、スクルージはボブ・クラチットの給料を上げ、家族にも相応の援助をすることを約束し、ティム坊やの第二の父と呼ばれるまでになる。 スクルージは誰からも愛されるよき友、よき主人、よき人として、ロンドンで知られるようになった。 4.『クリスマス・キャロル』を読んだきっかけ ディケンズ『クリスマス・キャロル』村岡花子訳、新潮社、2011年 ももちんが『クリスマス・キャロル』を初めに読んだのは、大人になってから。 『赤毛のアン』シリーズから村岡花子を知って、他の翻訳作品を読んでみたいと思ったのがきっかけ。 初めて読んだときは、なんだか教訓めいた展開がとっつきづらいな、と思った。 言い回しもどことなく古風で、セリフがすんなり入ってこない。 そのあと映画『Disney's クリスマス・キャロル』を観て、自分にも通じる物語なんだと、心に深く感じることができた。 読み返すごとに味わいが変わる、毎年クリスマス前には読みたくなる名作。 5.『クリスマス・キャロル』を読んだ感想 『クリスマス・キャロル』を読んでいると、ディケンズから「最も大切なことを思い出そう!」と呼びかけられている気分になる。 たんなる古典文学としておもしろがるだけではなく、 今に生きるすべての人に共通の、変わらない何かを思い出させてくれる物語。 5-1.ディケンズのユーモア 読み初めからひき込まれるのは、語り手の存在感。 ふつう、物語を読んでいると、その物語を語っている人は、全面には出てこない。 だけど『クリスマス・キャロル』は、 語り手は「私」として語りだし、ときに読者に語りかけ、その息づかいが感じられる。 それゆえに、 みなさんも、私が語気を強めて、マーレイはドアの釘のごとくに死にきっていると繰返すのをお許し願いたい。 出典:ディケンズ『クリスマス・キャロル』村岡花子訳、新潮社、2011年 まるで、 落語家が聴衆に向かって語りかけているような語り口。 この読者への語りかけは、物語の要所要所で登場する。 5-2.あふれるクリスマス精神 物語の根底に流れているのは、 クリスマスを迎えることのシンプルな喜び。 ロンドンのクリスマスの活気が物語全体にあふれている。 クリスマスを喜ぶのに理由はいらない。 富める人も、貧しい人も関係ない。 人々にとって、 クリスマスは一年に一度、みんなで心を一つにすることができる日なんだよね。 事務所が 寒くても、火に石炭を足すことを許さない。 甥のフレッドがクリスマスを一緒に過ごす 誘いに来ても、「ばかばかしい!」と一蹴する。 恵まれない人々への 寄付を募りに来た人には、ビタ一文わたさない。 クリスマス・キャロルを うたっている少年をにらみつける 読んでいて、確かにきむずかしくて、孤独を好み、ケチだなあ、と思った。 だけど、 「ケチ」という点では、現代の日本では、スクルージみたいな人がいてもふつうな気がする。 ももちんがスクルージと共通するところをあげてみる。 ふだん寄付はしないし、求められても素通りすることが多い。 税金を払っているので、それ以上社会のために払う必要はないと思っている。 自分とかかわりのない人は、正直どうなっても知ったこっちゃないと思っている。 公平ではない場面に出逢うと、 たとえ1円でも、損していると感じる。 法に反しているわけではない。 どこが悪い!という態度。 基本、ハートは閉じて、 新しい人と関わりたがらず、守りに入る。 自分をよく見てみたら、スクルージとかなり似ている。 そうやってみると、 最初のスクルージは、とんでもない悪いやつ、というわけではないと感じる。 まっとうに生きているけど、その性格からいろんな可能性をせばめている、ふつうの人なんだよね。 5-4.インナーチャイルドの癒し フェジウィグ夫妻。 アーサー・ラッカム(絵)[public domain] とんだ「へんくつじじい」として描かれているスクルージだけど、それは表面的なもの。 かつては スクルージも子どもだったことがあり、恋していたことがあり、お金より大事なものを知っていた。 スクルージは、第一の幽霊とともに、 自分の過去のクリスマスを旅することで、そのときのことを思い出していくんだよね。 これは、 心理学でいう「インナーチャイルド」の癒しのプロセスそのものだな、と感じた。 孤独な少年時代 初めにみたのは、仲間外れにされ一人教室にいる少年時代のスクルージ。 老人スクルージは、孤独な少年に寄りそい、涙を流す。 どれだけ寂しい想いをしたかをまざまざと思いだし、「かわいそうに」とつぶやく。 そこでふと思い出したのは、昨日事務所にクリスマス・キャロルを歌いながらやってきた少年。 「男の子に何かやればよかった」 初めてスクルージは自分の行いを反省するんだよね。 妹のファン 次にみたのは、それから数年後。 かわいい年の離れた妹、ファンがスクルージを迎えに来た場面だった。 ファンがどんなに優しく気立てのいい娘だったか、 自分がどれだけファンを大事に思っていたかを思い出す。 ファンが遺した甥のフレッドが頭に浮かぶ。 青年時代の感謝 つづいて見たのは、フェジウィグ老紳士の元で奉公していた、青年時代のスクルージ。 クリスマス・イブ、フェジウィグは店を早じまいし、大勢でダンスパーティを楽しんだ。 老スクルージはこのときの興奮、熱狂を再び思い出し、味わった。 幽霊は、いつものスクルージのように 「フェジウィグのやっていることは、くだらないことだ」と言う。 とっさに反論するスクルージ。 あの人が私たちをしあわせにしようとしてくだすった苦労は、一財産投げ出してやってくだすったのと同じですよ 出典:ディケンズ『クリスマス・キャロル』村岡花子訳、新潮社、2011年 そういった後で、 スクルージは、日頃自分がどれだけボブ・クラチットに厳しくしていたかを反省する。 ボブ・クラチットにもう少し優しくしてやれば・・・ 恋人との別れ 過去の恋人の幸せな姿。 アーサー・ラッカム(絵)[public domain] 最後に見た過去は、スクルージには辛いものだった。 貪欲になり始めたスクルージの元を、恋人ベルは去っていった。 別の男性と結婚をしたベルは、たくさんの子どもたちに囲まれていた。 無邪気に遊ぶベルと子どもたちの姿を見て、 スクルージは、本当に望んでいたことを思い出す。 それは、 子どものように軽やかに自由を楽しみ、それを喜べる大人であること。 そこへ夫が帰ってきて、ベルに「一人ぼっちのスクルージを見かけた」と話す。 スクルージは、 自分が歩んできた道がいかに孤独な道であったかを思い知らされるんだ。 5-5.今開かれているチャンス 甥宅でのパーティー。 アーサー・ラッカム(絵)[public domain] 過去を振り返り、絶望的な気持ちにもなったスクルージ。 今度は第二の幽霊と現在のクリスマスを旅する。 自分にかかわりの深い二つの家庭をのぞき見て、 スクルージは、今開かれているチャンスを知ることができる。 ボブ・クラチットの家庭 第一の幽霊との旅で、自分とボブ・クラチットの関係を少し反省したスクルージ。 その クラチット家では、ささやかながらも家族が集い、喜びにあふれたクリスマスを過ごしていた。 スクルージは、 クラチットの末の息子ティムが、病弱で足が悪いことを知る。 幽霊にティムの未来をたずねると、 「あの子は死ぬだろう」と告げられ、スクルージはいてもたってもいられなくなる。 かつて自分が言った「余計な人口が減る」と言う言葉が、どれほど非情なものであったかを悟り、スクルージは後悔する。 フレッドの家庭 第一の幽霊との旅で、かつてかわいがった妹ファンへの愛情を思い出したスクルージ。 ファンの一人息子、フレッドの家では、友人たちが集い、陽気にパーティが催されていた。 一同がダンスやゲームに興じる様子に、いつのまにかスクルージも一緒に楽しみ、陽気になっていた。 ももちんが好きなのは、 スクルージがフレッドの奥さんを初めて見たときの描写。 どれだけ魅力的な女性かが、ありありと描かれている。 彼女はたいそう愛らしかった。 実に愛らしかった。 えくぼのある、びっくりしたようなすてきな顔をして、 豊かな小さな口は接吻されるためにつくられたかのようだった 出典:ディケンズ『クリスマス・キャロル』村岡花子訳、新潮社、2011年 堅物のスクルージだけど、隠されたあたたかさがどんどんにじみ出てきている。 5-6.心を開けば世界は変わる 死を利用する悪人たち。 アーサー・ラッカム(絵)[public domain] ここまでの旅で、 スクルージの心はだいぶ変わりつつあったのだと思う。 だからこそ、その次にみた「未来のクリスマス」がどれだけおぞましいものであるかが、スクルージにもわかるんだ。 死んでいたのはスクルージ自身 第三の幽霊とともにスクルージが見たのは、誰かが死んだあと、周りの人たちがその死を喜んだり利用したりする場面。 この「誰か」というのは、スクルージが、墓石に彫られた自分の名前を見るまでわからない、という設定になっている。 だけど、 どう考えてもこれ、スクルージのこと言ってるよねって、途中から、読者なら全員わかるはず。 スクルージもうすうす気づいてはいたけど、気づきたくなかったんだよね。 ここで、 恐れている未来をはっきり見たことが、スクルージの改心への決意につながる。 スクルージの変わりっぷりが爽快 クリスマスに甥を訪問するスクルージ。 アーサー・ラッカム(絵)[public domain] 三人の幽霊とのクリスマスの旅を終え、目を覚ました スクルージの変貌っぷりが激しすぎて、さわやかな気分になる。 クリスマスおめでとう!世界中の皆さん、新年おめでとう!いよう!ほう!いよう! 出典:ディケンズ『クリスマス・キャロル』村岡花子訳、新潮社、2011年 スクルージが体験したことは、スクルージ自身の夢にすぎないのか、それとも、現実に起こった設定なのかはわからない。 けれども、 スクルージはこの体験を味わいきり、自分の考えの小ささを潔くみとめ、受け入れ、変わったんだよね。 幽霊も頑張ったかいがあったね(笑) 5-7.幽霊が知っていること マーレイの亡霊とスクルージ。 アーサー・ラッカム(絵)[public domain] 初めにあらわれたマーレイの亡霊は、長く重い鎖にしばられていた。 この 鎖は、誰につけられたのでもない、自分で好んでつけた鎖なんだよね。 肉体をもって生きているときは、自分がつけている鎖に気づくことはない。 死んでみて初めて、この鎖の重さに気づくんだ。 ここでいう 「鎖」は、人間の持つ「思い込み」ともいうことができると思う。 長年生きているうちに、しみついて当たり前になってしまっている思い込み。 先延ばしにせず、 今からその思い込みに気づき、外して軽くなっていくことの重要性。 マーレイはスクルージにあえて自分の姿を見せることで、このままだとお前もこうなると、わざわざ伝えに来てくれている。 スクルージ自身の言葉を繰り返す スクルージと無知と欠乏の子ども。 ジョン・リーチ(絵)[public domain] 「何がクリスマスおめでとうだ!ばかばかしい!」 「死にたい奴らは死なせたらいいさ。 そうして余計な人口を減らすんだな。 」 幽霊たちは、クリスマスの旅の中で、たびたびスクルージが放った言葉を繰り返す。 スクルージは、それらの言葉が思いやり一つない、ひどい言葉であることを思い知らされ、その都度後悔におそわれる。 ももちんがぞっとしたのは、第二の幽霊がスクルージに見せた、 人間のもつ「無知」と「欠乏」を現す二人の子ども。 幽霊はスクルージにはっきりと自分の行いを自覚させるために、醜い子どもたちを見せた。 同情を示そうとしたスクルージに、幽霊は、再び、かつてスクルージ自身が放った言葉で返す。 「監獄はないのかね?救貧院はないのかな?」 解決策を示さない 幽霊たちは、スクルージが一番知りたい 「どうしたら、この運命を変えることができるのか」ということは、最後まではっきりとは教えてくれないんだよね。 誰かに言われるのではなく、 スクルージ自身が悟らないと意味がないことを、幽霊たちはわかっていたんだよね。 解決策を教えられなかったおかげで、 スクルージは義務感からではなく、自然にわいてくる人間愛を発揮することができた。 それは、誰の予想をもはるかに上回る、素晴らしいものだった。 スポンサーリンク 6.関連トピック ここからは、『クリスマス・キャロル』やディケンズについてみつけた、おもしろい情報を紹介していくよ。 6-1.クリスマス・キャロルとは そもそも、「クリスマス・キャロル」って、どういう意味か、知らない人も多いんじゃないかな? ももちんもその一人で、この記事を書くにあたって調べてみて、初めて知ったよ(笑) 「クリスマス・キャロル」っていうのは、クリスマス・イブに特に好んで歌われる、イエス・キリストの誕生を喜ぶ歌のこと。 日本でも有名な 「きよしこの夜」(英語:Silent night)や、 「クリスマスおめでとう」(英語:We Wish You A Merry Christmas)も、クリスマス・キャロルのうちの一つ。 今作で登場するクリスマス・キャロル 出典: 小説『クリスマス・キャロル』では、 クリスマス・キャロルは物語に直接かかわらない。 最初の場面で、クリスマス・キャロルをうたいながらスクルージの事務所を訪れる少年が登場するのみ。 この場面で歌われているのが、 「世の人忘るな」(英語:God Rest You Merry, Gentlemen)というクリスマス・キャロル。 「世の人忘るな」は、1833年、ウィリアム・B・サンディスがイギリスで出版した『古今クリスマス・キャロル集』に歌詞が掲載されたけど、実際にはもっと古くから存在していた。 一般的には、裕福な家庭をまわって寄付を求めるときに歌われていたキャロルなんだって。 参考: 6-2.ディケンズが31歳の若さで書いた 1842年頃のディケンズ。 フランシス・アレクサンダー画[public domain] この美男子、だれだと思う? 実は、ディケンズの若いころの肖像画なんだよね。 『クリスマス・キャロル』を書く前の年。 ディケンズは1843年、 31歳の若さで『クリスマス・キャロル』を書いた。 天才だよね。 ディケンズの少年時代は貧しく、満足な教育が受けられなかった。 12歳から靴墨工場で働き、家族の監獄生活など、苦しい生活を強いられた。 『クリスマス・キャロル』の中でも、貧しい家庭の子どもたちはよく登場する。 スクルージのように裕福な階層のひとが、この哀れな貧困層の子どもたちを、無視していいわけがない。 ディケンズ自身が少年時代に味わった苦しみから、 子どもを救いたい気持ちは強く、その思いが物語にも反映されている。 参考:ディケンズ『クリスマス・キャロル』井原慶一郎訳、春風社、2015年 6-3.クリスマス前に幽霊話をする習慣 『クリスマス・キャロル』初版本の原本扉。 ジョン・リーチ(絵)[public domain] こちらは、『クリスマス・キャロル』初版本の扉。 クリスマスの時期に暖炉のそばで幽霊話を語るのは、イギリスの伝統の過ごし方だった。 ディケンズはその伝統をふまえ、この物語をぜひ暖炉のまえで語り継がれてほしいという願いを込め、この副題をつけたのかもしれない。 実際 ディケンズ自身、好んで『クリスマス・キャロル』の朗読をしていたんだよね。 物語で表現されている、実際にディケンズ自身が話しているような語り口には、そういう理由もあったんだね。 参考:ディケンズ『クリスマス・キャロル』井原慶一郎訳、春風社、2015年 7.いろいろな『クリスマス・キャロル』 『クリスマス・キャロル』は新潮文庫以外にも、たくさんのシリーズや他の出版社からも出版されているよ。 出版社別・特徴別におすすめの『クリスマス・キャロル』や、映画やアニメもまとめたので、参考にしてみてね。 まとめ 小説『クリスマス・キャロル』見どころまとめ。 著者・作品紹介• あらすじ・登場人物• 読んだきっかけ• ディケンズのユーモア• インナーチャイルドの癒し• 幽霊たちが知っていること• クリスマス・キャロルとは?• 映画紹介 映画を観る前に原作の小説を読むと、さらに楽しめるよ!.

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自分の考え方を変えれば、人生は変わる! 『クリスマスキャロル』より

クリスマス キャロル ディケンズ

クリスマスキャロルは2つある 『クリスマスキャロル』は、【 小説】と【 歌】の2つがあります。 厳密にいうと、原作をもとにした映画や舞台、アニメなどがあるのですが、それらはすべて原作=小説を基にしているので、今回はそれらはカウントしません。 【小説】クリスマスキャロルとは? クリスマスキャロルとは、1843年12月19日に発表された、英作家(Charles Dickens)による初の書き下ろし小説です。 現代は A Christmas Carol といいます。 小説クリスマスキャロルは、出版された当初から人気を博し、また高い評価を受けてきたディケンズの代表作の一つです。 注)寓話…教訓的な内容を、他の事柄にかこつけて表した例え話。 例、イソップ物語。 タイムトラベルというSF要素もありつつ、読みやすい物語です。 第一節、クリスマスイブの夜。 ロンドンで高利貸をしているスクルージのもとに元共同経営者だったマーレイの幽霊が現れます。 スクルージは、守銭奴で冷徹で独善的な人物なのでみんなから嫌われています。 マーレイの幽霊は、そんなスクルージの心を改めるように諭すとともに、三人の精霊(幽霊)がスクルージの前に出現すると告げます。 第二節から第四節までの精霊(幽霊)というのは、それぞれ順番に「過去」「現在」「未来」のクリスマスの精霊のこと。 まずは第一の精霊(幽霊)がスクルージを過去へと導きます。 そこでスクルージは、幼い頃の純粋な心を持った自分を見て、だんだんと失っていった感情を取り戻していきます。 第二の精霊(幽霊)は彼を現在へと導きます。 毎日仕事に追われ、笑うこともできなくなった彼自身が写し出されます。 その一方で、彼とは異なり、貧乏ながらも幸せに暮らす家族の暮らしを見て、幸せとは何か見直すようになります。 第3の精霊(幽霊)は彼を未来へと導きます。 人々は誰かの死について話し合っており、でもその者の死を嘆くわけではなく、当然の報いだとばかりに喜んでいる様子。 スクルージはその人物が自分だと知った時、自分の行いについて反省し、改心を決心するのです。 これら3つのタイムトラベルを通して、スクルージが お金ではない本当の幸せについて考えなおし、町で一番の人気者と言われるような「スクルージおじさん」になる…というストーリーです。 ものすご~く単純なことだけど、ものすご~く大切なことを教えてくれるお話ですね。 小説クリスマスキャロルの登場人物紹介 前章のあらすじ紹介では割愛しましたが、小説クリスマスキャロルには以下のような登場人物がいます。 ・エベニーザ・スクルージ Ebenezer Scrooge 冷酷で非人間的な初老の守銭奴。 ・ファン Fan スクルージの妹であり、フレッドの母親でもある、若くして他界した女性。 ・フレッド Fred スクルージの甥で明るく善意にあふれた人物。 ・ジェイコブ・マーレイの幽霊 Ghost of Jacob Marley 生前スクルージと共同で事務所を営んでいた人物で、あるクリスマス・イヴの夜、スクルージの眼前に出現して、生きる姿勢を改めるように諭す。 ・過去のクリスマスの幽霊 Ghost of Christmas Past スクルージに少年期から青年期に掛けての過去のクリスマスをめぐる場面を見せる幽霊。 ・現在のクリスマスの幽霊 Ghost of Christmas Present スクルージに孤独な彼のクリスマスとは対照的な現在のクリスマスの場面を見せる親切で寛大な霊。 ・未来のクリスマスの幽霊 Ghost of Christmas Yet To Come 改心しなければ辿ることになる暗く悲惨な未来のクリスマスの場面をスクルージに見せる無言の厳かな幽霊。 ・ベル Belle スクルージの婚約者であった女性。 ・ボブ・クラチット Bob Cratchit スクルージの事務所で働いている小柄で家族思いの事務員。 ・ティム・クラチット(タイニー・ティム) Tim Cratchit; Tiny Tim 下半身が不自由で松葉杖に頼るボブ・クラチットの末の息子。 【歌】クリスマスキャロルとは? さて、小説のクリスマスキャロルについて簡単に紹介しました。 続いては歌のクリスマスキャロルについての説明です。 歌のクリスマスキャロルとは、キリスト教文化圏において、クリスマス・イヴの夜に人々が歌う「キャロル(歌)」で、「クリスマス聖歌」ともいうような意味です。 一般的にクリスマス・キャロルを指し、 キリスト教の聖日や行事の際に唄われます。 キャロルには、イースター・キャロルやアドベント・キャロルなどもありますが、多くの人がキャロルに触れるのは、クリスマスの時期です。 キリスト教の救世主キリストの誕生を祝い、誕生にまつわる様々な場面や逸話を歌詞にした歌のこと。 キリスト教圏では、クリスマスの前の時期に、教会やコミュニティのイベントで人が集まると、クリスマス・キャロルを唄います。 こうしたクリスマス・イベントや、キャロルを歌うコンサートが多く開催されます。 クリスマスキャロル=クリスマス聖歌なんですね。 ちなみに聖歌と讃美歌って違うって知ってました?私はキリスト教には疎いので詳しくはありませんのでここでは説明はできませんが、違うと知って驚きました。 この歳になっても、まだまだ知らないものってあるんですねぇ… クリスマスキャロルとクリスマスソングはちがうの? 前章で説明したように、クリスマスキャロルとクリスマスソングは別物です。 クリスマスキャロルは、 クリスマスの宗教的なものを題材にした歌であり、クリスマスソングは単に クリスマスホリデーシーズンの世俗的なものが題材の歌というふうに大まかに分けられます。 特に宗教的な意味もなくポップにクリスマス気分を歌い上げるものがクリスマスソングってことですね。 から確認できます。 歌のクリスマスキャロルとは、宗教的な意味合いのある歌ってことでした。 クリスマスがテーマのハリウッド映画を見ると、キリスト教的な習慣を覗き見ることができますね。 なぜだか、欧米のクリスマスは暖かさを感じます。 それはやはり、宗教的な意味合いがそう感じさせるのかもしれませんね。 今年もそろそろクリスマスがやってきます。

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5分でわかる『クリスマス・キャロル』!あらすじ、登場人物などから解説!

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世界中のスクルージたちを改心させたチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」がかけた魔法 文豪チャールズ・ディケンズが著した名作「クリスマス・キャロル」。 170年以上にわたって世界中の読者を魅了し続けてきたこの作品が持つ意義は、単に英国の国民的作家が出したベストセラー書籍であるという点に留まらない。 ディケンズはこの作品を通じて当時の社会を変えようとし、また何人もの人々がその呼び掛けに応じた。 「クリスマス・キャロル」が残した社会的影響を振り返る。 Sources: Charles Dickens Museum,「Christmas Carol」 by Charles Dieckens,「Dickens」by Peter Ackroyd, The Daily Telegraph, The Guardian ほか 左)チャールズ・ディケンズ 右)1843年に刊行された「クリスマス・キャロル」の初版 「クリスマス・キャロル」 Chirstmas Carol - Charles Dickens 1843年12月19日に発表された、英作家チャールズ・ディケンズによる初の書き下ろし小説。 物語の舞台はロンドン。 主人公は強欲で意地が悪く、周囲から忌み嫌われている初老の男性スクルージ。 彼がクリスマス・イブに3人の幽霊との出会いを通じて改心し、慈悲にあふれた人間へと生まれ変わるまでを描く。 同作品は発売直後から大ベストセラーとなり、現在に至るまで何度も映画化または舞台化されている。 かつてクリスマスはクリスマスではなかった 今年も英国のクリスマス・シーズンが始まった。 テレビをつければクリスマス・プレゼント用の商品を宣伝するCMが盛んに流れ、各地の大通りではクリスマス・ツリーと芸術的な装飾を施した冬仕様のウインドー・ディスプレーが買い物客を出迎える。 英国人たちは帰省する計画を立て始 め、レストランはクリスマス・ディナーの予約受付を開始するころ。 今年一年お世話になった人々に贈るクリスマス・カードもそろそろ用意しなければならない。 本来であれば最も忙しなく、そして気が滅入りそうになるほどに日照時間が短い季節だ。 それでも英国人たちは、クリスマスに向けて、多少の無理をしてでも家族や友人との絆を確かめ合い、他者に対して温かくそして優しくあろうと努める。 恋人同士が高級レストランで食事をする日と化した日本とは事情が異なり、英国のクリスマスにはどこか博愛的な雰囲気が漂う。 だが、私たちが知っているこうしたクリスマスの風景が形作られたのは、チャールズ・ディケンズが生きた19世紀初頭のヴィクトリア時代以降のことだという。 それまで労働者階級の人々は家族そろってクリスマス・プディングを食べるといった習慣を古くから続けていた一方で、都市部の中産階級においてはそうした風習が廃れ始めていた。 当時、街中でツリーを見かけることはない。 カードを贈り合う習慣さえない。 詰まるところ、そのころのクリスマスは、現代の私たちが知るクリスマスではなかったのだ。 そして、一度は廃れかけたクリスマスを英国に蘇らせた一人が、英国の国民的作家であるチャールズ・ディケンズだった。 ヴィクトリア時代に運営されていた「ラゲッド・スクール(ボロボロの学校の意)」。 ディケンズが訪問したフィールド・レーン貧民学校もその一つだった 社会問題が噴出していた19世紀のロンドン ディケンズが生きた19世紀の英国は、まだ産業革命を経たばかり。 急速な工業化や都市化の影響を受けて、失業者の増加、疫病の流行、スラム街の発生、長時間労働に児童労働といった都市問題が噴出していた時代でもあった。 ディケンズは、そうした一連の社会問題をつぶさに観察していた。 父親の借金問題に悩まされた彼自身、12歳で靴墨工場へと働きに出ている。 新聞記者時代には、機械打ち 壊し運動や農民による食料暴動といった階級対立に端を発する事件の数々に毎日のように触れていた。 専業作家となってからも、イングランド北部マンチェスターや同中部バーミンガムといった工業地帯を訪問。 実体験や取材を通じて知った社会の暗部を小説の中に描き込むことで、その実態を広く世に知らしめようとした社会派作家だった。 1843年10月、ディケンズはロンドン北部のカムデン地区にあるフィールド・レーン貧民学校を訪問する。 福音主義者による慈善事業として運営されていた同校は、当時の児童たちを取り巻く劣悪な環境の縮図だった。 生徒たちは、不潔で、非常識で、読み書きができない子供たちばかり。 自ら窃盗や売春に手を染めて生計を立てている者さえいるという有様だった。 その様子を見て衝撃を受けたディケンズは、直ちに新作の執筆作業に取り掛かる。 その作品こそが「クリスマス・キャロル」だった。 強欲なスクルージは言わば「持つ者」。 スクルージの書記として薄給で働くボブ・クラチットや、その息子である障害を持つ少年ティムは「持たざる者」。 クリスマスのロンドンを舞台としたこの物語には、持つ者は持たざる者へ助けの手を差し伸べるべきという明確なメッセージが込められていた。 「クリスマス・キャロル」が世の中を変えた 「クリスマス・キャロル」は、発売後約1週間で6000部を売り上げる大ベストセラーとなった。 年が明けてからも本の売れ行きは止まらなかったという。 単に多くの人々がこの本を手にしたというだけではない。 改心したスクルージの姿に感銘を受けて、自らも心を改めようと決心する者が続出した。 「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」の作者として知られるスコットランド作家のロバート・ルイス・スティーヴンソンは、同作を読了後にこれまでよりも多くの寄付を行うと宣言。 歴史家のトーマス・カーライルは、人付き合いが悪いことで有名であったにも関わらず、クリスマス・ ディナーを一度ならず二度も開催するに至る。 巷では「メリー・クリスマス」という挨拶が流行し、国内の寄付金額は急増。 ブームは米国にまで飛び火し、クリスマス期間に全社員に対して特別休暇と七面鳥をプレゼントする経営者まで現れ始めた。 ディケンズの「クリスマス・キャロル」を読んだ現実世界のスクルージたちが、小説の登場人物のように生まれ変わろうとしていたのだ。 ときを同じくして、英国のクリスマスの風景に変化を起こす様々な出来事が起きていた。 「クリスマス・キャロル」が刊行された同年には、後にロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の初代会長を務める発明家のヘンリー・コールが世界初の商業用クリスマス・カードを制作。 その4年後となる1847年には、ロンドンの菓子職人がクリスマス・クラッカーを発明した。 また1840年にヴィクトリア女王と結婚したドイツ生まれのアルバート公は、同国の伝統であったクリスマス・ツリーを飾る習慣を英国へと導入。 1848年のクリスマスには、ヴィクトリア女王を始めとする王室メンバー一同が、ウィンザー城内に設置されたクリスマス・ツリーの前に集まる様子を描いた版画が大手新聞に掲載された。 またアルバート公は、ウィンザー城近郊にある学校施設や軍の兵舎にもツリーを寄付。 やがてクリスマスになると英国中にツリーがあふれるようになる。 こうして、クリスマス・キャロルの刊行からわずか5年間で英国のクリスマス事情は激変。 階級や住む地域を問わず、誰もが幻想的な雰囲気に包まれながら他者に対して温かな眼差しを向ける季節へと変わっていった。 左)世界で初めて商業用クリスマス・カードを制作したヘンリー・コール 右)ドイツから英国にクリスマス・ツリーを導入したアルバート公 クリスマス・キャロルに始まりそして終わる クリスマスの物語を通じたディケンズの啓蒙活動は、「クリスマス・キャロル」の執筆後も続いた。 まず彼は第二の「クリスマス・キャロル」を求める読者の要望に応じ続けるという宿命を負うことになる。 彼が友人に書いた手紙には、読者たちが期待していることを知っておきながら、クリスマスをテーマとした新作を執筆しないことに罪悪感を覚えるといった内容が記されていたという。 自身が編集長を務め る週刊文芸誌ではクリスマス特別号の発行を定例化。 その生涯で5冊に及ぶクリスマスの物語を刊行、クリスマスの風景を描いた中短編は総計20作を超える。 またディケンズは、当時まだ極めて異例であった著者本人による朗読会を再三にわたり開いていた。 最初の朗読会で選んだ著書は、やはり「クリスマス・キャロル」。 かつて俳優になることを志していたこともあるというディケンズの朗読ぶりは、身振り手振りを交えながら登場人物によっ て声色を変えるといった具合に本格的なものだったという。 1870年にロンドンで開催された朗読会で「クリスマス・キャロル」を披露した際には、既に58歳になり、体調を悪 化させていたディケンズが最後に観客に向けて「これから 永遠に姿を消します」と挨拶。 足踏みと大歓声が響く会場で、彼は涙を流しながら感謝の投げキスを観客席に向けて 送ったという。 その3カ月後に死去。 ディケンズの朗読会は「クリスマス・キャロル」で始まり、そして終わった。 彼の死から150年近くが経過した今も「クリスマス・キャロル」は増刷を続けている。 そして、何よりもディケンズ が伝えようとした慈愛の精神は英国社会にしっかりと根付いている。 この冬も、ツリーやウインドー・ディスプレーに彩られた街並みの中心には、きっと寄付やボランティアの手を募る各慈善団体の人々の姿を見ることができるはずだ。 ディケンズがかけたクリスマスの魔法は、21世紀となった今でも、まだ解けていない。 チャールズ・ディケンズ博物館にある応接間。 ディケンズはここでも頻繁に朗読会を開いていたという 「クリスマス・キャロル」で 言及されているロンドンの場所• カムデン・タウン スクルージの書記として働くボブ・クラチットとその家族が住んでいる地域。 ディケンズ自身が幼少期にこの街で家族とともに暮らしていた• コーンヒル 金融街シティ内にある大通 りで、スクルージの事務所がこの近くにあるという設定。 クラチットが凍結したこの道を滑り降りたと描かれている• マンション・ハウス 金融街シティの市長の住居。 物語では、この「壮大な邸宅」に住む市長が「50人の料理人と執事にクリスマスに向けての準備をさせる」と伝えている• ホワイトチャペル スクルージの勘の良さについて、物語の語り手が「ホワイトチャペルの針よりも鋭い」と表現。 かつて同地域では上質の針が生産されていた• 王立取引所 3人目の幽霊に連れられて、物語の舞台は王立取引所前へ。 ここで噂話をしていた人たちの会話から、最近になって評判の悪い男が死んだことが明らかになる• チャールズ・ディケンズ博物館のキュレーター ルイーザ・プライスさんが語る 「クリスマス・キャロル」 ディケンズが生きたヴィクトリア時代の英国では、いわゆる超常現象をテーマとした物語が流行していました。 ディケンズは超常現象そのものには非常に懐疑的だったようですが、物語としては関心を持っていたのでしょう。 「クリスマス・キャロル」に幽霊が登場するのはそうした当時の流行を反映したものだと考えられます。 またディケンズは、クリスマスの季節に様々な家族がそれぞ れの家の暖炉のそばに集い、朗読して楽しむことができるようにと願いながらこの物語を執筆しました。 あらかじめ音読されることを想定して書かれているからこそ、舞台やラジオ・ドラマの題材としても相応しい作品であると言えるでしょう。 Charles Dickens Museum チャールズ・ディケンズ博物館 ディケンズが1837年より家族とともに住み始めた自宅。 「クリスマス・キャロル」を始めとする彼の代表作の多くがこの家で生まれた。 またディケンズはこの場所で著書の朗読会も頻繁に開催したという。 現在は博物館施設となっており、12月1日から1月6日までは同作品にちなんだ数々の特別イベントを実施。 19世紀におけるクリスマスの風景を再現した上で、ろうそくを灯しての夜間オープンや朗読会などを開催する。 そう言われても、クリスマスと言えば雪景色という視覚イメージが既に自明のものとなった現代人にはあまりピンとこないかもしれない。 だが、そもそも英国では12月末は雪が降る季節ではない。 それではなぜ英国の人々は毎年ホワイト・クリスマスの到来 を願うのか。 その理由の一つとして、ディケンズが 「クリスマス・キャロル」の中でホワイト・クリスマスとなったロンドンの風景を印象的に描いていたということが挙げられる。 著名な伝記作家であるピーター・アクロイド氏によると、実際にディケンズの幼少期には例外的に極端に寒い冬が続き、クリスマスに雪が降ることがしばしばだったという。

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