狩衣めきたる。 七十二候 | 第十三候「玄鳥至 (つばめきたる)」 4/4~4/8頃

敬愛する歌人の作品

狩衣めきたる

[助動][たら|たり|たり|たる|たれ|たれ]《完了の助動詞「つ」の連用形に動詞「あり」の付いた「てあり」の音変化》ラ変以外の動詞、および動詞型活用の助動詞の連用形に付く。 1 動作・作用の継続・進行を表す。 …ている。 …てある。 「おもしろく咲き たる桜を長く折りて」〈・四〉 2 動作・作用が完了し、その結果が状態として存在する意を表す。 …ている。 …てある。 「くらもちの皇子 みこ おはし たり、と告ぐ」〈〉 3 動作・作用が完了する意を表す。 …てしまう。 「春風に一もみ二もみもまれて、海へさっとぞ散っ たりける」〈・一一〉 [補説]中世以降は、他の完了の助動詞「つ」「ぬ」「り」および過去の助動詞「き」「けり」などの用法をしだいに吸収し、「たる」を経て現代語の「た」に引き継がれる。 ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞に付く場合は「だり」となる。 1 ㋐動作や状態を並列して述べる。 「泣い たり笑っ たりする」「とんだり跳ね たりする」 ㋑反対の意味の語を二つ並べて、その動作・状態が交互に行われることを表す。 「暑かっ たり寒かっ たりの異常な陽気」「足を上げ たり下げ たりする運動」 2 (副助詞的に用いられ)同種の事柄の中からある動作・状態を例示して、他の場合を類推させる意を表す。 「車にひかれ たりしたらたいへんだ」 3 (終助詞的に用いられ)軽い命令の意を表す。 「早く行っ たり、行っ たり」 [補説]「たり」は中世以降、文語的な「…ぬ…ぬ」に対し口語として動詞の連用形だけに付く形で用いられた。 1は、として扱われる場合もあるが、近世後期からはあとのほうを省略して「…たり…」の形をとる場合もみられる。 出典 デジタル大辞泉について の解説 [語誌] 1 完了の助動詞「たり」の連用形または終止形の中止的用法から変化したもの。 この用法は、極めて近似的な意味の語を列挙(通常二つを並立)することで、類似した事態の継続・反復を強調するものであったが、二つの事態の並立という機能として認識されるようになることで、接続助詞として固まっていった。 これが、並立される二つの事態が近似的なものだけでなく、互いに何らかの関連性を持つという程度の事態にも広がり、さらには対義的な語の並立にも用いられるようになって、その使用範囲が広まった。 2 中世には「き」「けり」に続く場合「たっし」「たっける」のように促音便形「たっ」が用いられた。 3 バ行マ行の動詞が「たり」を伴うとき、動詞の語尾が撥音便化またはウ音便化するとともに、「たり」が「だり」となることが多い。 4 並列を表わす「…たり…たり」は、「…ぬ…ぬ」が文語的であるのに対し、口語として長く用いられ、固定化したものは助詞として扱われる。 連体形「たる」の「る」は鎌倉時代から脱落の傾向を生じて「た」となり、現代の口語の助動詞「た」の終止・連体形となる。 出典 精選版 日本国語大辞典 精選版 日本国語大辞典について.

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高校古文こういう話

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新学期を迎えた皆さんこんにちは!ゴールデンウィークですね!! リクエストにお応えします。 〈本文〉 昔、袴垂(はかまだれ)とていみじき盗人の大将軍ありけり。 十月ばかりにきぬの用ありければ、衣(きぬ)すこしまうけんとて、さるべき所々うかがひありきケルに、夜中ばかりに、人みなしづまりはててのち、月の朧(おぼろ)なるに、きぬあまたきたりけるぬしの、指貫(さしぬき)のそばはさみて、きぬの狩衣(かりぎぬ)めきたるきて、ただひとり笛吹きて、ゆきもやらず、ねりゆけば、「あはれ、これこそ、我にきぬえさせんとて、出でたる人なめれ」と思ひて、走りかかりて衣をはがんと思ふに、あやしく物のおそろしく覚えければ、そひて二、三町ばかりいけども、我に人こそ付きたれと思ひたるけしきもなし。 いよいよ笛を吹きていけば、心みんと思ひて、足をたかくして走りよりたるに、笛を吹きながら見かへりたる気しき、取りかかるべくもおぼえざりければ走りのきぬ。 かやうにあまたたび、とざまかうざまにするに、露ばかりもさわぎたるけしきなし。 「稀有(けう)の人かな」と思ひて、十餘(よ)町ばかりぐして行く。 「さりとてあらんやは」と思ひて、刀をぬきて 〈juppo〉久しぶりに宇治拾遺物語です。 今回はネットでテキストを探すことなく、手元にあった角川文庫ソフィア『宇治拾遺物語』を参考にしました。 これです。 訳は載っていませんが、なんとなくで読めます。 今回は漫画にするのでいろいろ調べて訳しましたが。 袴垂という盗賊は、「袴垂保輔」とされることもあるそうですが、文庫の注釈には「別人」だとあります。 保輔はここに登場する保昌の弟だそうです。 保昌はまだ名乗られてないですね。 でもタイトルにあるので、当然この笛を吹いてる人が保昌ですよね。 「指貫のそば」を「指貫の股立」と訳してありますが、「股立って何さ」と思いながら訳してました。 袴に詳しい人なら現代でも常識な言葉なのかもしれません。 袴の腰の、脇のすき間が空いた部分のことなんですね。 そこを帯に挟んで裾を上げているということらしいです。 なぜそんなことをしているのかは、ナゾです。 多分歩きやすくするためでしょう。 夜道なので。 夜道を笛を吹きながら歩いている理由もナゾなんですよね。 風流な人はただ帰宅するのにも楽器を奏でながら歩いたんでしょうか。 今でいう鼻歌くらいな感じで。 そうやってゆるゆる歩いているだけなのに、襲おうとしても襲えない、身にまとう物のおそろしさがあるというんですね。 その、おいそれと手が出せない雰囲気が漫画に描ききれているとは到底思えないのですが、とてもそう思えないのに手が出せない恐ろしさ、なんてものがあるのだろうなと思ってください。 とは言え、このままただついて行くだけでは、と意を決した袴垂であります。 続きます。 そんなわけでゴールデンウィークに突入しましたね。 最近、平日が人並みに忙しいので、休みになったらあれこれしようと思いつつ、休みになると何にもしたくない症状に陥りそうです。 夕方の「カーネーション」の再放送を見ているうちに、沸々とミシン踏みたい気持ちにもなってくるのですけど。

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袴垂、保昌に会ふこと(「宇治拾遺物語」) 現代語訳

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昔、男、初冠して、奈良の京、春日の里にしるよしして、 狩に往にけり。 訳 昔 ある 男が、元服して、奈良の京 =平城京 の 春日の里 平城京の東部、春日山の西麓の村里 に 領有している縁で、鷹狩に出かけて行った。 昔、 名詞 男、 名詞 初冠 名詞 し サ行変格活用動詞「す」連用形 て、 接続助詞 奈良 名詞 の 格助詞 京 名詞 春日 名詞 の 格助詞 里 名詞 に 格助詞 しる ラ行四段活用動詞「治る」連体形 よし 名詞 して 格助詞 狩 名詞 に 格助詞 往に ナ行変格活用動詞「往ぬ」連用形 けり。 過去 伝聞回想 の助動詞「けり」終止形 その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。 訳 ところが)その里に、ひじょうにたおやかで優美な姉妹が住んでいた。 そ 代名詞 の 格助詞 里 名詞 に、 格助詞 いと 副詞 なまめい カ行四段活用動詞「なまめく」連用形「なまめき」のイ音便 たる 完了の助動詞「たり」連体形 女はらから 名詞 住み マ行四段活用動詞「住む」連用形 けり。 過去の助動詞「けり」終止形 この男、かいま見てけり。 訳 この男は、 その姉妹を 垣間見てしまった。 こ 代名詞 の 格助詞 男、 名詞 かいま見 上一段動詞「かいま見る」連用形 て 完了の助動詞「つ」連用形 けり。 過去の助動詞「けり」終止形 思ほえずふるさとに、いとはしたなくてありければ、 心地惑ひにけり。 訳 思いがけなく こんな 古い里に、 姉妹が ひどく不似合いな様子でいたので、 男は 心が乱れてしまった。 思ほえ ヤ行下二段活用動詞「思ほゆ」未然形 ず 打消の助動詞「ず」連用形 ふるさと 名詞 に、 格助詞 いと 副詞 はしたなく ク活用形容詞「はしたなし」連用形 て 接続助詞 あり ラ行変格活用動詞「あり」連用形 けれ 過去の助動詞「けり」已然形 ば、 接続助詞 順接確定条件 心地 名詞 惑ひ ハ行四段活用動詞「惑ふ」連用形 に 完了の助動詞「ぬ」連用形 けり 過去の助動詞「けり」終止形。 男の着たりける狩衣の裾を切りて、 歌を書きてやる。 訳 そこで男は 自分の着ていた狩衣の裾を切って、 それに 歌を書いて贈った。 男 名詞 の 格助詞 着 ラ行上一段活用動詞「着る」連用形 たり 完了の助動詞「たり」連用形 ける 過去の助動詞「けり」連体形 狩衣 名詞 の 格助詞 裾 名詞 を 格助詞 切り ラ行四段活用動詞「切る」連用形 て、 接続助詞 歌 名詞 を 格助詞 書き カ行四段活用動詞「書く」連用形 て 接続助詞 やる ラ行四段活用動詞「やる」終止形 その男、しのぶずりの狩衣をなむ着たりける。 訳 その時 その男は、しのぶ摺りの狩衣を着ていたのである。 一説に奥州信夫郡 今の福島市南部 の名産にちなんでそう呼ばれたといわれる。 そ 代名詞 の 格助詞 男、 名詞 しのぶずり 名詞 の 格助詞 狩衣 名詞 を 格助詞 なむ 係助詞 着 カ行上一段活用動詞「着る」連用形 たり 存続の助動詞「たり」連用形 ける。 過去の助動詞「けり」連体形。 「なむ」結び 春日野の若紫のすり衣しのぶの乱れ 限り知られず 訳 この 春日野に生んている若い紫草で染めたこのす り衣の乱れ模様のように、 私の心はあなた方を 思う 心で限りなく乱れております。 春日野 名詞 の 格助詞 若紫 名詞 の 格助詞 すり衣 名詞 しのぶ 名詞 の 格助詞 乱れ 名詞 かぎり 名詞 しら ラ行四段活用動詞「しる」未然形 れ 可能の助動詞「る」未然形 ず。 打消の助動詞「ず」終止形 となむ追ひつきて言ひやりける。 訳 と即興て詠んでやった。 ちょうど元服したところなので、 「俺も大人だからな~歌で自己アピールしないとな」 なんてかっこうつけている姿を想像すればいいかも。 こどもならいきなり、その家に入っていっちゃうかもしれませんね。 と 格助詞 なむ 係助詞 をひつき カ行四段活用動詞「追ひつく」連用形 て 接続助詞 言ひやり ラ行四段活用動詞「言ひやる」連用形 ける。 過去の助動詞「けり」連体形。 「なむ」結び ついでおもしろきことともや思ひけむ。 訳 男はその ことの次第を趣深いこととでも思ったのであろう。 ついで 名詞 おもしろき ク活用形容詞「おもしろし」連体形 こと 名詞 と 格助詞 も 係助詞 や 係助詞 思ひ ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形 けむ。 過去原因推量の助動詞「けむ」連体形。 「や」の結び みちのくの忍ぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにし我ならなくに 訳 (さて、この歌は) 陸奥の国のしのぶもしずりの乱れ模様のように 私の 心は思い乱れておりますが、あなた以外の だれのた めに乱れ始めてしまった私でしょうか。 みんなあなた のせいなのです。 みちのく 名詞 の 格助詞 しのぶもぢずり 名詞 誰 名詞 ゆゑ 名詞 に 格助詞 乱れそめ マ行下二段活用動詞「乱れそむ」連用形 に 完了の助動詞「ぬ」連用形 し 過去の助動詞「き」連体形 我 名詞 なら 断定の助動詞「なり」未然形 なく 打消の助動詞「ず」のク語法 に 終助詞 といふ歌の心ばへなり。 訳 という歌の趣である。 と 格助詞 いふ ハ行四段活用動詞「いふ」連体形 歌 名詞 の 格助詞 心ばへ 名詞 なり 断定の助動詞「なり」終止形 昔人は、かくいちはやきみやびをなむしける。 訳 昔の人は、このように熱烈な風流事をしたものである。 気早い。 烈しいという意味もあり。 ここのところの解釈は学校の先生テスト前に聞いておきましょう。 昔人 名詞 は 係助詞 かく 副詞 いちはやき ク活用形容詞「いちはやし」連体形 みやび 名詞 を 格助詞 なむ 係助詞 し サ行変格活用動詞「す」連用形 ける 過去の助動詞「けり」連体形。 サ変=サ行変格活用の場合 「す」の活用のおさらいです。 春日野の若々しいむらさき草のようなあなたたちをみて、、 恋しちゃいました。

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